[ロンドン 29日 ロイター] - トムソン・ロイター・エクイティ・キャピタル・マーケッツ(ECM)のデータによると、今年の世界のエクイティファイナンス(株式による資金調達)は、今月26日時点で前年比19%増の7802億ドルとなった。

昨年は6564億ドルだった。

金融関係者は、世界経済の拡大や株価の上昇を背景に、来年もエクイティファイナンスが増加すると予想。新規上場や、買収資金調達のためのライツイシュー(株主割当増資)が増えるとの見方を示している。

今年の新規株式公開(IPO)は35%増の1786億ドル。2014─15年のピーク時の水準は下回った。

今年も欧州の銀行によるライツイシューが目立った。ウニクレディト<CRDI.MI>、ドイツ銀行<DBKGn.DE>、クレディ・スイス<CSGN.S>、サンタンデール銀行<SAN.MC>は、総額350億ドル近くを調達。

今年最大のIPOを実施したのは米スナップ<SNAP.N>で、3月に39億ドルを調達した。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのグローバルECM部門を統括するクレイグ・コーベン氏は「調達額は来年も増えるだろうが、構成は変わるのではないか。バランスシートの修復という局面は終わりを迎えつつある。今後はIPO、スピンオフが増え、買収資金を賄うためのライツイシューも行われるだろう」との見方を示した。

金融関係者の間では、配車大手ウーバーや民泊仲介サイトのエアビーアンドビー(Airbnb)など、米国のユニコーン企業(企業評価額10億ドル以上の非公開企業)のIPOを予想する声が引き続き多い。

欧州では、ドイツの医薬品・化学大手バイエル<BAYGn.DE>による米農薬・種子大手モンサント<MON.N>の買収計画(660億ドル規模)に伴う大型ライツイシューが予想されている。

コーベン氏は「地政学的なショックが発生する可能性はあるが、低 ボラティリティーが続くと仮定すれば、来年の発行額は増えるだろう」と述べた。

ブラジル、トルコ、ロシアなど、新興国市場のエクイティファイナンスの復活を予想する声もある。

世界のECMの総合リーグテーブ(引受実績ランキング)と、世界のIPOのリーグテーブで首位に立ったのはモルガン・スタンレー<MS.N>。欧州と米州ではJPモルガン<JPM.N>が首位だった。

英国企業のエクイティファイナンスは、欧州連合(EU)離脱を巡る先行き不透明感などを背景に、2.5%増と伸び悩んだ。ドイツでは2倍以上の増加を記録した。