2017年ももうすぐ終わり。オフィスや自宅の大掃除をしている人も多いのではないだろうか。きれいになるのは気持ちがいいし、空いたスペースも有効利用できるようになる。これはPCやスマホ、ウェブサービスにも言えること。年末年始の空き時間を使って、不要なファイルや情報を整理整頓し、来年も安全快適にデジタル環境で作業できるようにしておくことをオススメする。

 今回2017年最後の記事ということで「デジタル環境も年末の大掃除ですっきり安全にするワザ」を紹介する。

大みそか~正月休みでデジタル大掃除&来年の準備をする技
いつかやろうと先延ばししていたデジタル大掃除にチャレンジしよう!

ウェブサービスのアカウントとパスワードを徹底整理!

 最初に整理したいのがウェブサービスのアカウントだ。今や、普通にネットを使っているだけでも、MicrosoftやGoogle、Appleといったメーカーから、クラウドストレージ、ショッピングサイト、SNS、オークションサイト、オンラインバンクなど、数えきれないアカウントを取得していることだろう。さらに、ネットで買い物をよくする人や、最新サービスを気軽に試している人などは、アカウント数は100や200をすぐ超えてしまう。

 このアカウント、どうやって管理しているだろうか。すべて同じメールアドレスとパスワードの組み合わせ、というならいつかどこかで人生を変えるレベルの流出被害に遭いかねないので注意が必要だ。ほとんどのサービスにはそれほど致命的なデータは保存していないだろうが、Gmailの過去のメールすべて見られても問題ないだろうか? FacebookやTwitterの投稿や写真に個人情報は入っていないだろうか? 以前使っていたmixiのアカウントには何を書いたことがあるだろうか?

 匿名アカウントで憂さ晴らししていた場合、他の情報を組み合わせて身ばれする可能性もある。ヘルスアプリから健康情報が漏れたり、スケジュールサービスから予定が丸わかりになると困ることが出てくるはず。クラウドストレージから仕事関連のファイルが漏洩すれば、会社に迷惑をかけるかもしれない。

 パスワードはすべてのサービスで異なる文字列を利用すること。これだけで、万が一サービス側から漏洩しても、他のサービスに不正アクセスされることはなくなる。しかし、そうするとパスワードを覚えきれなくなるので、何かに記録する必要が出てくる。メモ帳やエクセルに書いておく人も多いが、ファイルの管理に手間がかかる。漏洩したら大問題だし、なくしても面倒だ。アナログも同様のリスクがある。

 そこで使いたいのがパスワード管理アプリだ。「1Password」(https://1password.com)や「LastPass」(https://www.lastpass.com/ja)といったサービスが有名で、本格的に利用するなら有料となる。しかし、PCでもスマホでも利用でき、複雑な文字列もきっちり管理。セキュリティーもしっかりしており、ビジネスユースでも活用されている。

 筆者が主に利用しているのは「1Password」だが、ウェブブラウザでサインインを検知すると、自動的に登録画面が開き、簡単に登録できる。そこで、既存のアカウントすべてに片っ端から、サインインしてみよう。細かい使い方は「第244回 月額課金制になった1Passwordを導入してパスワードを完璧に管理する技」を参考にして欲しい。

 その際に、もう二度と使わないな、と思うサービスなら退会すればいい。パスワードも文字列を使い回している場合は、他の文字列に変更する。サービスがなくなっているものもあるだろう。しばらくぶりにアクセスすると、未読メッセージがあったり、機能追加があったり、無料と思っていたら有料に切り替わっていたりと状況は変わっているはず。一通りチェックすればずいぶん無駄なアカウントを減らせるし、パスワードを変更すればセキュリティも格段に強固になるのだ。

 特に、使っていないSNSやブログなどがあれば、消去しておくことをオススメする。いつも使っているアカウントであれば、乗っ取りや炎上が起きたときにすぐにわかるが、普段アクセスしていないアカウントだと初動が遅れて被害が拡大しがちだからだ。

 SNSに紐付いているサービス・アプリを整理するなら「第251回 防げ個人情報漏洩! SNSアカウントに紐付いているサービス・アプリを把握・整理するワザ」を参考にして欲しい。

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定番パスワード管理アプリ「1Password」は、月額2.99ドル
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ブラウザからサインインすると、自動的に登録画面が開く

キーボードを綺麗にして心機一転!
PCは外も中も大掃除

 PCも大掃除しておきたい。PC回りも長く使っていると、ほこりや食べかす、手垢などで汚れてくる。掃除機でほこりを吸ったり、固く絞った布で拭くだけでもずいぶん綺麗になる。

 年末年始にやっておきたいのが、入力デバイスの大掃除。よくトイレの便座よりもたくさん細菌がいると言われるが、やはり毎日触っているのにクリーニングしないのは衛生的ではない。

 光学マウスは固く絞った布で拭けばいい。センサー部分が汚れると動作がおかしくなるので、乾いた布で綺麗にしておこう。問題はキーボードだ。掃除機で間のゴミを吸って、外装を布で拭くだけでもいいのだが、できればキートップをはずしてキレイにしたいところ。

 キートップリムーバーは200~500円くらいで販売されているが、マイナスドライバーで外すことも可能。作業前にキーボードを撮影しておき、配列を記録しておこう。外したキートップは中性洗剤を薄めた水で洗い、ボディーも磨く。キートップを完全に乾かしたら、写真を参考に元に戻せば良い。驚くほどキレイになるので、高級キーボードを使っている人はぜひチャレンジしてほしい。

PC周り掃除術 前編
キートップをリムーバーやマイナスドライバーで外す
PC周り掃除術 前編
中性洗剤を薄めてキートップを付け洗いする
PC周り掃除術 前編
完全に乾かしたら、元に戻す

 次はソフトウェア側、Windows 10もクリーニングしておこう。まずはWindows Updateで最新の状態にして、コマンドプロンプトを管理者権限で起動。「DISM.exe /Online /Cleanup-image /Restorehealth」と入力する。続けて「sfc /scannow」と入力しよう。システムファイルチェッカーが実行され、保護されているシステムファイルがスキャンされ、破損している場合は置き換えられる。さらに続けて「chkdsk c: /f」と入力してチェックディスクツールを実行する。ストレージを検査し、エラーがあった場合は修復してくれる。

 無駄なファイルを削除するなら「ディスククリーンアップ」を利用しよう。インターネット一時ファイルやダウンロードされたプログラムなど、不要なファイルをまとめて削除できる。Windowsインストールファイルなどが残っている場合は、数GBもスペースを空けられることがある。

 また、回復ドライブを作成していない人は、正常にWindows 10が動作しているうちに作成しておこう。回復ドライブの作成方法は「ズバッと解決! Windows 10探偵団 ― 第108回 Windows 10の回復ドライブと再インストールの違いを教えて」を参考に。

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DISMコマンドでシステムファイルをチェックし、破損していれば修復する
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スタートメニューの「Windows管理ツール」から「ディスククリーンアップ」を起動する
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「回復ドライブ」と検索してウィザードを起動し、回復ドライブを作成する

スマホでは写真をバックアップしてアプリを整理!

 スマートフォンには撮影した写真が多数保存されていることだろう。しかし、恐ろしいことにバックアップを取っていない人がとても多い。まずは、兎にも角にも端末のバックアップを取ろう。iPhoneの場合は「iCloudバックアップ」を利用するのが手軽だが、写真やアプリがたくさんあると無料で利用できる5GBを超えてしまう。そんな時は、PCにつないでiTunesで保存しよう。

 AndroidはGoogleアカウントと紐付けてアプリや設定などをバックアップできる。写真は、PCに保存したり、SDメモリーカードに移動すればいい。

 写真を「Dropbox」や「OneDrive」「Googleドライブ」などのクラウドストレージに保存し、端末からは削除するという手もある。容量は節約しつつ、クラウドにアクセスすればいつでも閲覧できる。iPhoneの場合、画像を削除すれば、iCloudバックアップが使えるようになることもあるだろう。

 不要なアプリを整理したり、ホーム画面を使いやすいように並べ直すのも年末年始の時間のあるときしかできないこと。端末をすっきりさせれば、また快適に利用できるようになる。来年登場する新機種への物欲が抑えられて、懐事情的に節約になるかもしれない。

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iCloudバックアップは「設定」→「名前」→「iCloud」から設定できる
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Androidは「バックアップとリセット」からGoogleアカウントにバックアップできる
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写真を撮ったらクラウドサービスに自動的にアップロードすることもできる。画面はOneDrive

名刺や紙資料を電子化してペーパーレス化にチャレンジ

 大量にたまった名刺や紙資料を電子化して、捨てたいという人も多いだろう。日本の住宅事情だと棚一つなくなるだけでも大助かりだ。とはいえ、なかなかヘビーな作業になるので、忙しいときには先送りしがち。しかし、ペーパーレス化が実現すると、想像通り超快適で効率的な世界が待っている。

 色々なテクニックはあるのだが、まず「探し回らなくていい」「紛失することがない」というメリットが大きい。もちろん、OCR処理しておけば、キーワード検索できるのも助かるところ。ドキュメントスキャナーがあれば、大量の書類もガシガシ電子化できる。

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ドキュメントスキャナーがあれば大量の書類や名刺も手軽に電子化できる。画面は「ScanSnap iX500」(PFU)
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スキャンしたPDFファイルをOCR処理し、キーワード検索することもできる

 名刺の場合は、「Eight」をオススメする。Sansanが開発している名刺管理アプリで、名刺を撮影するだけでほぼ完璧にテキストに起こして登録してくれる。無料で利用できるので、気軽に試してみよう。名刺バインダーはいらないし、一瞬で検索できるし、ビジネスSNSとして人脈とつながることもできる。使い方は「名刺データを人力で入力してくれる無料iPhoneアプリ「Eight」を徹底解説」を参考にしてほしい。

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名刺を撮影するだけで、名前から肩書き、住所、メールアドレスまですべて電子化してくれる
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登録した相手のキャリアや最新の肩書きなどもチェックできるようになる

 今回紹介した大掃除を全部やろうとすると面倒で動けず、正月が終わってまた来年、となりかねない。どれかひとつでもいいのでチャレンジし、来年の業務効率改善、働き方改革に役立てていただきたい。


筆者紹介─柳谷智宣

柳谷さん顔写真

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。パソコンやIT関連の媒体で、特集や連載、単行本を多数手がける。PC歴は四半世紀を超え、デビューはX1C(シャープ)から。メインPCは自作、スマホはiPhone+Xperia、ノートはSurface Pro3とMacbook Air。著書に「銀座のバーがウイスキーを70円で売れるワケ」(日経BP社)、「Twitter Perfect GuideBook」(ソーテック社)、「Dropbox WORKING」(翔泳社)、「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)など。筋金入りのバーホッパーで夜ごとバーをハシゴしている。好きが高じて、「原価BAR」を共同経営。現在、五反田・赤坂見附・銀座で営業中。