中国がロンドン第3の金融街に巨額投資、英国に接近する狡猾な戦略中国企業が開発に名乗りを上げたロイヤルアルバート駅周辺は人影もまばらだ Photo by Konatsu Himeda

英国の大規模再開発に
中国企業が名乗りを上げる

 ロンドンの地下鉄を乗り継ぎ、ロンドン市東部にあるロイヤルアルバート駅を目指す。ロイヤルアルバートは、ドックランズ・ライト・レイルウェイの終点に近い駅で、東に進むにつれ、テムズ河の対岸のロンドンシティ空港が視界に入ってくる。

 ロンドン市東部は、ロンドン五輪の開催を契機に再開発が行われたが「ハコモノ政策に過ぎなかった」という批判があるように、今なお活性化への課題が残されている。確かに降り立ったロイヤルアルバート駅周辺は、コンベンションセンターとおぼしき建物といくつかのホテルがあるだけで、人影もまばらだった。

 この一帯で、大規模なウォーターフロント再開発が行われるという。その「ロイヤル・アルバート・ドック」の再開発事業に名乗りを上げたのが、なんと中国企業。北京に本社を置く中国民営企業の「総部基地全球集団(以下、総部集団)」が、このプロジェクトを受注した。