財務省の予算説明会で感じたこと
消費税は予定通り上がるのだろう

 今週の月曜日(12月26日)、筆者は財務省で来年度予算の説明を聞いてきた。財務省は、例年、いわゆる民間のエコノミストを呼んで、1時間程度の質疑応答付きの説明会を催してくれる。

 来年度の予算案は、良くも悪くも新鮮味のないものだった。率直に言って、財政は相当に硬直化していて、後述のように「行政の運営方法」を変えない限り、政権が変わったとしても、大きく変化する余地はないと思われる。

 予算の特徴を敢えて挙げると、これまでいわゆる「埋蔵金」で処理されてきた、基礎年金の国庫負担切り上げ分(約3分の1が2分の1に増えた分)の約2.6兆円が通常の国債と別枠扱いになり、交付国債を使って調達される形式になったことだ。

 要は、「44兆円強」とされる新規国債の発行限度のめどが守れなかったわけで、これを別枠化した「決算操作」的な措置なので、あまり恰好のいいものではないが、この債務は、今後決まると予定されている消費税率の引き上げによる増収で償還されることになっている。

 財務省は、消費税率引き上げをすでに「予約」している、と考えることもできよう。

 一方、政治側の動きを見ると、民主党税調の意見集約が今年中に行なえるかどうかが焦点になっているようだが、今年になろうが来年になろうが、国会に法案提出ができればいいわけで、これ自体は大した問題ではない。

 もちろん、今後消費税率の引き上げを巡って、与党内でも、また野党からも政治的な動きがあるだろうし、その結果意外な結果(いわゆる政界再編や消費税率引き上げの延長・棚上げも含む)が起きるかも知れないが、TPPの経験を踏まえて考えると、政治は「騒ぎはしても、大勢に影響しない」のだろう。