問題5:ある百貨店の生き残りをかけた一大決断とは?

 次の問題は、実在する都内の某百貨店が舞台。有名店がひしめきあう激戦区です。あなたはA店の社長に就任したばかりです。ところが、売上げは伸び悩む一方。若者はブランドショップの品揃えが豊富なIに流れ、やって来るのはミセスや中高年ばかり。さらには来年、全国規模のTが出店予定です。さて、こうした窮地の中、どのようにこの百貨店を差別化すればよいでしょうか。次の3つから選んでください。(制限時間1分)

1 ブランドショップを増やす
2 中高年層に特化する
3 若者向けのテナントを多く入れる

☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆

 これも、実際にあった話です。1990年代の後半、新宿の京王百貨店では、この先どのように店を差別化していくかという難問を突きつけられました。新宿には若者には抜群の人気のある伊勢丹、また高島屋も出店してきます。ほかと同じように、若者&ブランド志向を続けていては、到底勝ち目はありません。

 そこで当時の社長は、一大英断をしました。それは、「新大衆百貨店」というコンセプト。それまで百貨店というと、高級感を売りにしていて、若者から高齢者まで幅広い層をターゲットにしていましたが、思い切って中高年に的を絞ったのです。正解は、2の「中高年層に特化する」でした。そして、ブランド志向をやめ、エルメスやルイ・ヴィトンのテナントを撤去しました。また価格帯を下げ、品揃えも中高年に受けるようなものを揃えたのです。

 こうして見事に京王百貨店は生き残り、「中高年の百貨店といえば京王」という差別化に成功したのです。この例のポイントは、「若者が来ない」というデメリットを「ならば、中高年をターゲットに絞る」という視点の転換があったからですね。

【レッスン5:若者がないほうが、中高年に特化しやすい

 全5問のうち3問以上、正解した方は、「ものの見方」のセンスがいい人ですね。

 さて次回は、さまざまな問題を解決していくときにきっと役立つ「8つの視点」をご紹介します。

 


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この31のドリルは、ただのクイズではありません。これこそ、ふだんのあなたの見方、思考パターンの縮図なのです。楽しみながらドリルをこなしてい くことで、自分の「思い込み」に気づき、それを修正していくことができます。思い込みのメガネをはずせばココロは軽くなり、悩まされ続けてきた問題もたち まち解決します。

 

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