マインドフルネスの効果は至る所で語られており、多くの企業がそれを実践している。ただ、仕事と子育てを両立する人にとって、1日の中でまとまった時間を確保するのは困難だ。そのため、その実践を諦めてしまう人もいるかもしれない。だが筆者は、隙間時間を上手に使うことで、マインドフルネスを取り入れることができるという。本記事では、そのための具体的方法が示される。


 近頃は、右を見ても左を見ても、誰かがマインドフルネスのよさを力説している。

「マインドフルネスに基づくストレス低減法」のプログラム創始者であるジョン・カバットジンの言葉を借りるなら、マインドフルネスとは、「特別な注意を払うこと。意識的に、いまこの瞬間に対して、良し悪しの判断なしに」という手法である。マインドフルネスを実践する人は、ストレスが少なく、集中力が高く、自分の感情をコントロールする能力も高いという研究結果もある。

 だが、子育て中の人の場合、すでに1日にやるべきことがギッシリと詰まっている。そのなかで、マインドフルネスをどのように取り入れたらよいのだろうか。

 働く親は、疲れを感じ、せき立てられているような感覚を持つことが多い。いつも同時進行で、いくつもの仕事をこなし、個人的責任と職務上の責任を果たし、やり残していることにストレスを感じる。ピュー・リサーチ・センターの分析によれば、働く親の56%が、仕事と家庭の間で時間のバランスを取るのが難しいと答えている。筆者は、いまでこそ、この悪循環を断ち切る方法について相談を受ける立場にあるが、少し前まで他人事ではなかった。

 何年か前、私はツイッターで学習・リーダーシップ育成の責任者を務めていた。同社が毎年350%の成長を遂げていた時期だ。ロケットに乗り合わせたようで、仕事は気に入っていた。しかし気づけば、家族とのつながりを維持するのが困難になっていた。そして、忘れもしないあの日の午後、息子の学校から電話がかかってきた。誰も息子を迎えに来ない、というのだ。息子はそのとき、小学1年生だった。私は涙があふれて止まらなかった。

 当時、私はすでにマインドフルネスを習慣としていたが(オフィスに瞑想とヨガのための部屋があり、スキを見てはそこへ行っていた)、プレゼンス(いまここにいると意識すること)と、アウェアネス(気づき)をどうすれば日常に取り入れられるのか、その方法がわかっていなかった。

 以下に、私が編み出した方法を紹介しよう。これは現在、人にも勧めている方法だ。