スマホに加えAIなどにも活用で
半導体価格は顕著な上昇局面に

 世界の半導体売り上げは、17年の見込みで、前年比+20%の4080億米ドル(世界半導体市場統計による)です。

 半導体売り上げは、2000年のITバブル、07年の住宅バブル期に大きく伸びた後にバブル崩壊で落ち込み、そこから回復するといったように、数年単位で上昇と下落を繰り返してきました。

 08年のリーマン危機後は、10年にかけて回復した後、約3000億米ドル付近の水準を横ばい状態で推移してきましたが、16年の後半から顕著な上昇局面に入っています。

 これはiPhoneに代表されるスマートフォンの需要拡大や、高機能化に伴う半導体需要の高まりを受けているほか、最近ではビッグデータやAI、IoT(Internet of things=モノのインターネット)など、新しい技術がどんどん実用化されて積極的に活用され始めていることが背景にあると見られます。

 これまで、半導体はパソコンやスマートフォン・携帯電話を中心に使われてきましたが、これが自動車や機械全般に使われるようになれば、需要は今後も拡大すると考えるのが自然です。

 なお、これまでに半導体市場の好不況の大きな波を作り出してきたのは、実は需要ではありませんでした。将来の需要を見越して供給能力を拡大し、半導体を作り過ぎた供給側に原因があったのです。

 半導体製造は装置産業のため、半導体メーカー各社は需要が好調な時に市場シェアを伸ばす狙いで積極的な設備拡張を行います。これが続くと、半導体の製造キャパシティが需要を上回り、半導体の価格が下落します。この時にわずかでも需要が減少すれば、さらなる価格の下落→収益性の悪化となり、半導体業界にとっては状況が一層悪化します。

 現在のところ、半導体需要は供給能力を上回っていると見られ、特に需要が強い高機能メモリーの半導体価格は上昇傾向にあります。

 ただし、同時に半導体製造装置の売り上げも急増しているため、将来の需給悪化のタネがまかれつつあることにも注意が必要です。