同兄弟の投資ファンドは直接ビットコインに投資することを目指している。一方、他のファンドは、米取引所に最近上場したビットコイン先物に期待を寄せていた。ETFの基盤としては、先物の方が、ほとんど規制のないスポット取引よりも、確かな安定を約束するものだった。

 だが8日、ビットコインETFの上場を申請していたラファティー・アセット・マネジメントは、SECがビットコイン先物取引の「流動性とバリュエーション」に懸念を示したことを明らかにした。SEC当局者はラファティーに対し、そうした問題に対処できるようになるまで申請を取り下げるよう伝えたという。

 また9日には、プロシェア・キャピタル・マネジメントなど3社は、ビットコインETFの上場計画を見送るようSEC当局者から言われたと、提出書類のなかで述べている。

 ビットコインは9日、ルクセンブルクに本拠を置くビットスタンプで1万4779ドルで取引された。

止まらぬ熱狂

 とはいえ、ビットコインETF上場を巡る競争は激しさを増す可能性があると専門家は指摘する。投資ファンドがSECの懸念に大急ぎで取り組み、ETFを設計し直しているからだ。

「個人投資家の需要に後押しされている」。そう語るのは、2014年に金の現物に裏付けされたETFを立ち上げたメルク・インベストメンツの創業者で最高投資責任者(CIO)のアクセル・メルク氏だ。「人々がビットコインに熱狂するなら、ビットコインETFを売ろうとするだろう」

 過去の申請で受けた批判を検討して、自社のビットコインETF設立に向け、承認を得ようと動いているファンドをいくつか知っている、とメルク氏は言う。

 また一部は、より伝統的な資産を通してビットコイン商品を提供する間接的なアプローチを試みている。例えば、投資ファンド5社は、ビットコインやその基盤となるブロックチェーン(分散型台帳)技術 に関連する株式に投資する投資信託を申請している。

 しかしビットコイン先物で取引しようとするファンドにとっては、委託保証金の水準や、先物価格と現物価格が大幅にかい離するリスクなど、依然として厄介な問題が残っているとSECと議論した関係者2人は語る。

 仮想通貨取引への監視は現在、強化されているように見えるものの、規制面での懸念はビットコイン先物が上場する妨げにはならなかった。

 米商品先物取引委員会(CFTC)は先月、CMEグループとCBOEグローバルマーケッツに対し、ビットコイン先物の上場を許可した。しかし最近になって、仮想通貨先物の上場に関するプロセスを見直そうとする動きも見せている。

 ビットコインの目まぐるしいボラティリティーはさておき、慎重に構えすぎれば、急成長する仮想通貨がもたらす機会を、米国資本市場が逃すことになりかねないと考える向きもある。

「SECが承認に踏み切らないのであれば、米国の資本市場は欧州やアジアに後れを取ることになるという懸念が常にある」と、バーンズ・アンド・ソーンバーグ法律事務所(シカゴ)のパートナー、トレース・シュメルツ氏は語った。

(Gertrude Chavez-Dreyfuss and Trevor Hunnicutt 翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)

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