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2018年に注目すべきIT戦略テーマ

――「ITR注目トレンド2018」より

内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]
【第76回】 2018年1月19日
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人材と組織の変革

 続いて、「人材と組織の変革」についての戦略テーマと予測を以下に示す(図3)。人材や組織については時代や地域を問わず普遍的な課題といえるが、今日のデジタル化や新規テクノロジーの普及が進むなかで特に重視すべき考え方や方向性を示している。

5.デジタルイノベーション人材の育成と確保:
デジタル技術をビジネスの最前線で活用して事業を革新したり、新規ビジネスを創出することに期待が高まっており、経営者はこうした取り組みを発案・推進する人材を求めている。企業は長期的な視点で、事業部門や外部から調達することも視野に入れてイノベーション創出に向けた人材戦略を検討しなければならない。

6.テクノロジーを活用した組織の目標と価値観の共有:
テレワーク(リモートワーク)や時短勤務、副業などの柔軟な働き方が一般化する中で、自然と育まれてきた企業組織としての共通前提や一体感をテクノロジーによって補強する必要性が高まると予想される。企業は、情報共有から一歩進んだ組織の目標と価値観を共有するための基盤整備に着手すべきである。

7.データ分析に向けた人材確保とプロセスの自律化:
データ活用による企業競争力の強化への期待が高まっており、経営者はデータサイエンティストの雇用・育成に積極的になりつつある。しかし、長期的な人材不足が想定されることから、機械学習によるデータ分析プロセスの自律化と一般社員のビジネス統計スキル修得の組み合わせによる課題解決を検討しなければならない。

8.戦略的なベンダー評価体系の構築:
デジタルイノベーションが進むなか、ベンダーとの関係再構築へ向けた取り組みは一層重要となる。大企業は、従来型のベンダー評価プロセスの高度化を推進する一方で、柔軟なリーンスタートアップやベンチャー企業との関係を評価する枠組みの導入が求められる。

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内山悟志
[ITR会長/エグゼクティブ・アナリスト]

うちやま・さとし/大手外資系企業の情報システム部門などを経て、1989年からデータクエスト・ジャパンでIT分野のシニア・アナリストととして国内外の主要ベンダーの戦略策定に参画。1994年に情報技術研究所(現アイ・ティ・アール)を設立し、代表取締役に就任。2019年2月より現職。


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日々進化するIT技術をどうやって経営にいかしていくか。この課題を、独立系ITアナリストが事例を交えて再検証する。クラウド、セキュリティ、仮想化、ビッグデータ、デジタルマーケティング、グローバル業務基盤…。毎回テーマを決め、技術視点でなく経営者の視点で解き明かす。

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