[東京 15日 ロイター] - 2月9日から韓国・平昌で開かれる冬季五輪にペンス米副大統領が出席することになり、日本政府は、どのクラスが参加するべきか慎重に判断している。すでに鈴木俊一五輪担当相と林芳正文科相は出席する方向だが、安倍晋三首相自らが開会式などに出席するかどうか現時点で回答を保留している。平昌五輪を機に活発な首脳外交が展開されることになるのか、日本政府はその可能性をじっくりと見極めようとしている。

安倍首相は、韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領から平昌五輪に招待を受けている。しかし文政権は、2015年12月の日韓合意を巡り、合意自体の見直しは求めないものの日本側に自発的な対応を求めており「首脳クラスが訪問できる状況ではない」(与党関係者)との声が出ている。

ただ、平昌五輪を契機として朝鮮半島の南北融和ムードが進み、ペンス副大統領の出席を米国が決断した。

複数の政府・与党関係者によると、日本政府への事前通知は「公式発表の数時間前だった」(政府高官)という。

この米国の対応により、主要国が首脳クラスを派遣する可能性も出てきたと一部の日本政府関係者はみている。

一部報道ではマクロン仏大統領も出席に前向きとされ、日本政府内では、五輪担当相と文科相だけでなく「プラスアルファ(の閣僚派遣)をどうするか議論している」(政府・与党関係者)という。

ある政府関係者は「平昌は東京から日帰り可能な距離にあり、安倍首相が開会式のみ出席する選択肢もある」と話す。

韓国の対日強硬姿勢も「あくまで韓国国内向け」(政府高官)との見方も日本政府内で聞かれ、さまざまな選択肢の可能性が検討されるもようだ。

一方、平昌五輪をきっかけに朝鮮半島情勢が緊張緩和に向かうのか、それとも五輪後に米韓合同軍事演習が再開され再び緊張が高まるのか、金融市場では見方が分かれている。

米国は北朝鮮の核保有を前提に外交交渉を始めることはないとみられているが、トランプ大統領が最近になって「南北対話中は軍事行動はない」、「私は金正恩委員長と良好な関係を築いている」などのメッセージを発信。にわかに融和ムードが広がっている。

他方、日本政府は「米国が対北朝鮮で圧力を強め続ける姿勢に変わりはない」(政府高官)との見方を維持しており、オリンピック・パラリンピック期間中の実施が延期された米韓合同軍事演習についても「3月のパラリンピック終了後に実施され、再び緊張が高まる」(与党関係者)との見方が主流だ。

南北対話が米朝対話につながるのかどうか、日本政府も最大の関心をもって事態の推移を注視していくとみられる。

(竹本能文 編集:田巻一彦)