[東京 15日 ロイター] - 内閣府はGDP統計改革の一環として、民泊やフリマなどシェアリング・エコノミーを取り込むための研究を進める。現状では1.1兆円と試算されるシェアリング市場は潜在規模が2.6兆円との試算があり、今後の拡大が期待されており、これまで市場価値がついていなかった新分野が市場経済化されることでGDPの押し上げ効果も見込まれる。

取り込みが予定されているのは、民泊(プラットフォーム企業はAirbnbなど)や会議室、駐車場などの空間シェア、カーシェア(同ウーバーなど)の移動シェア、フリマやレンタルサービスなどモノのシェア(同メルカリなど)、家事代行や介護・育児・知識などのスキルシェア(同ココナラなど)、クラウドファンディングなどお金のシェア(同サイバーエージェントなど)といった分野。

情報通信総合研究所試算として紹介された資料では、これらのサービス提供者の収入は16年現在で1兆1812億円。潜在的な市場規模は2兆6423億円。

そのうち最も市場規模が大きいのは民泊などスペースシェアで、16年には6783億円、将来の潜在市場規模は1.3兆円。

なお、日本のホテル市場の規模はおよそ1.7兆円(15年見込み:矢野経済研究所)とみられており、スペースシェア市場の規模の大きさがうかがえる。

これまで、個人間取引が市場活動として計上されていなかったため、内閣府はこうした経済活動が新たな産業としてカウントされれば、GDP水準自体の押し上げ効果につながるとみている。また、市場が拡大していく分野だけに、成長率自体も伸びが期待されるという。

個人取引だけに実態の把握が難しい面もある。民泊について、どの程度の家計収入があったかを把握するために、世帯の生産的活動に関する情報が鍵となり、内閣府はまず、仲介業者が扱った取引データを提供してもらうとしている。さらに、労働力調査と生活費・食品調査の利用、ビッグデータ活用が必要だとみている。

いつGDP統計に反映できるかは不明だが、次の基準改定に当たる20年度に予定する各種改定と併せて、取り組みを進めることになる。

*表記を修正しました。

(中川泉)