[東京 15日 ロイター] - 日銀が15日公表した地域経済報告(さくらリポート)では、全9地域のうち3地域が前回の昨年10月調査から景気判断を引き上げた。日銀の各支店からは、好調な海外経済を背景とした輸出・生産の増加に加え、株高や雇用・所得環境の改善で個人消費も上向いているなどの報告があがっている。

今回、景気判断を引き上げたのは東北、北陸、近畿の3地域。北陸が「拡大している」との強い表現を使うのは初めて。能力増強や省力化を目的とした設備投資の増加が判断引き上げの要因となった。近畿は3回連続の上方修正で、輸出の増勢の強まりや個人消費の増加が背景。東北は、内外企業の設備投資の積極化に伴って、はん用・生産用・業務用機械の増産がみられているという。

景気判断は複数地域の上方修正が続くなど改善傾向が鮮明だ。前回と同様に全国9地域のうち6地域が「拡大」と表現し、残る3地域も「回復」と判断している。各地域からは、海外経済の成長に伴って「輸出が増加基調にある中で、労働需給が着実に引き締まりを続け、個人消費が改善するなど、所得から支出への前向きな循環が続いている」との報告がなされている。

日銀によると、好調な世界経済を背景にIT関連分野を中心に、受注に追い付かないケースも出始めており、企業からは「機械設備需要の増加を受けて、関連部品の需給がひっ迫しており、新規調達先の確保に奔走している」(仙台支店)、「部品の需給がひっ迫しており、納期の遅れにつながり始めている」(松本支店)などの指摘が出ている。

また、すべての地域で「足もとの人手不足感のレベルは、前回に比べて強まっている」(調査統計局)という。

各企業は人手不足に対応するため、賃上げのほか省力化投資・サービスの見直しなどによる生産性の向上に努めているが、人材確保に向けて賃金カーブ自体を見直す動きもみられている。具体的には「初任給の引き上げとともに、若手社員を中心にベアによる賃上げを行う方針」(本店)、「30代の流出を防ぐため、賃金カーブの見直しを検討している」(金沢支店)などの声があがっている。

(伊藤純夫)