[ブリュッセル 15日 ロイター] - 欧州委員会のマルムストロム委員(通商担当)はロイターとのインタビューに応じ、スイスで今月開催される世界経済フォーラム(ダボス会議)に参加するトランプ米大統領について、何を語るかは分からないが、トランプ氏に対する欧州連合(EU)のメッセージは明確だと述べた。

EUは昨年7月に日本と経済連携協定(EPA)交渉で大枠合意に達したほか、今年前半にはメキシコや南米南部共同市場(メルコスル)との合意も見込んでいる。

マルムストロム氏は、トランプ政権が通商協定に否定的な姿勢を示していることが、EUの動きに大きく影響していると説明。深刻な危機を乗り越えた欧州に多くの国が指導力や連携を求めているとし、「われわれは他国と基準を設けつつあり、その基準がグローバルなものであることから、(通商協定からの)撤退は米国にとって良くない」と語った。

「アメリカ・ファースト」を掲げるトランプ大統領は1年前の就任以降、環太平洋連携協定(TPP)撤退を表明したほか、北米自由貿易協定(NAFTA)離脱をほのめかすなどしているが、マルムストロム氏は世界貿易機関(WTO)への対立姿勢に特に懸念を表明。

米政権がWTOで紛争処理に当たる委員の人選を阻止していることを挙げ、このままではWTOの機能が停止する可能性があると危惧を示した。また、昨年12月にブエノスアイレスで開かれた世界貿易機関(WTO)閣僚会議が米国などの反対で閣僚宣言を採択しないまま閉幕したことにも触れ、「米国の指導力が世界に必要だ。撤退すべきではない」と訴えた。

一方、マルムストロム氏は中国について、昨年のダボス会議で習近平国家主席が自由貿易の重要性を強調したものの、それ以降欧州に対する姿勢に変化はないとし、習氏の言葉が実行されていないとの考えを示した。