1月16日、経団連は2018年春闘の経営側指針に、安倍晋三首相が求める3%賃上げ要請を盛り込む異例の対応を示した。働き方改革に伴う残業代減少によるコスト削減分を家計に還元するとともに、早期のデフレ脱却宣言を目指す安倍政権の意向を踏まえた形だ。都内で2015年3月撮影(2018年 ロイター/Issei Kato/File Photo)

[東京 16日 ロイター] - 経団連は2018年春闘の経営側指針に、安倍晋三首相が求める3%賃上げ要請を盛り込む異例の対応を示した。働き方改革に伴う残業代減少によるコスト削減分を家計に還元するとともに、早期のデフレ脱却宣言を目指す安倍政権の意向を踏まえた形だ。

 ただ、3%という高い賃上げは企業にとって恒久的負担となり、同調する企業の広がりは読みにくい。物価上昇や消費増税を乗り切れるだけの家計の回復につながるか、今年の春闘が正念場となる。

経団連、残業代カット分の還元方針

 例年より高めの賃上げ率を企業に呼びかけることになったが、経団連の榊原定征会長は、残業代減少に伴う企業収益の伸びとともに、子育て世代の生活費減少を懸念する政府内の声に呼応して、昨年の早い段階から収益還元の意向を示していた。

 この先の経済についても、昨年12月末の経済財政諮問会議で「消費税率の引き上げによる国民負担増、長時間労働規制に伴う雇用者報酬減などが、経済の下押し圧力の要因として懸念される」と述べ、賃上げには積極的に対応する姿勢を見せていた。

 経済界としても、今後の経済情勢を踏まえると、個人消費の不安定な動きが企業活動にも悪影響を及ぼしかねないとの不安があったとみられる。