3ヵ月ごとに各事業所で研修をスタート

 2009年11月にHIT法の導入が決まり、年明け1月からのキックオフが決定。経営会議直轄の組織として業務改革推進室が作られ、斎藤氏が室長に就任した。HIT法の活動の中心となる専任スタッフとして、推進室に4名のほか、各事業所から2、3名のメンバーが選出され、約1ヵ月半という短い期間であわただしく準備が進められた。

 HIT法の標準的な進め方は、まず基本活動を6ヵ月行い、その後、6ヵ月の専門活動へと移行する。斎藤室長は当初、本社で基本活動を終えた後、次の拠点で基本活動をスタートするスケジュールを想定していたが、社長の意向でより圧縮したスケジュールで進められることになる。

 2010年1月から本社の管理部門がスタートし、4月に四日市製作所、7月に柏原工場と生産技術部、10月に栃木の開発部、2011年1月に鈴鹿工場と、3ヵ月ずつ時期をずらしながらHIT法を導入していったのだ。

「私を含め推進室のメンバーは、HIT法について知識ゼロの状態からのスタートです。HIT法とは何なのか、どうやってツールを使うのか、ムダとりや業務改善のやり方はどうするのかなど、システム科学から集中的に講義を受けました。さらに時間がなかったので、1回目の講義を受けた後は、すぐに私たちが講師役となって、マネジャーや現場担当者に教えるという方法で順番に展開していきました」(斎藤室長)

全体 663名 (2011/4現在)

チャートが明らかにした大量のムダ

 HIT法の基本活動ではまず「Sチャート」を作り、業務プロセスの流れを洗い出す。そうして仕事を目に見えるかたちにして、浮かび上がったムダに着目し、改善を行う。