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為替市場透視眼鏡

年前半は欧州不安が燻り続ける
避難先とされた豪ドルにきしみ

田中泰輔
2012年1月12日
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 2012年、世界経済はこの難局をかろうじて乗り切ると信じよう。最近の米国経済の指標改善は心強い兆候だ。当社は12年の米経済成長率を2.5%、13年も良好さを持続すると見ている。米景気が下支えされるなら、新興国の多くもハードランディングを懸念する必要はなくなる。

 欧州債務問題は世界経済のリスクであり続ける。当社では12年の欧州はマイナス0.5%成長と、短期的な景気後退を想定する。欧州政策当局は情勢悪化にせき立てられ、動かざるをえないだろう。金融機関の資本増強と損失処理、欧州金融安定化基金の拡大、欧州中央銀行の国債買い入れ、各国財政間の資金融通強化への道筋が視界に入りつつある。

 世界は土俵際に踏みとどまるが、確実な起死回生策はなく、にわかに明るくなるものではない。欧州問題に起因する世界経済の底割れの確率も2割は残る。

 為替市場では、米国が2.5%成長なら米金利も底堅く、ドル円も75~80円を中心として推移しそうだ。新興国通貨は経常黒字で収支構造のよい国ほど底堅さを見せるだろう。ただし年前半は、欧州で市場と政策当局のあいだで緊張がたびたび高まり、市場のリスク回避姿勢を高めると見る。

 その過程でユーロは対ドルで1.25ユーロかそれ以下に下落し、米国経済見通しの下方修正の程度を映して円は70円台前半に上昇する可能性がある。新興国通貨では経常赤字の大きい通貨ほど下値を切り下げる可能性が高い。欧州発の混沌が12年半ばにいったん収拾された後は、ユーロは対ドルで1.3ユーロ台、円は75~80円の中核ゾーンに戻ると考える。

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FX、外貨投資家のニーズに応えた為替投資家向けコラム。執筆には第一線のエコノミストを迎え、為替相場の動向を分析、今後の展望を予測する。

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