「ね、お産のあと、ご主人とのセックス、ちゃんとしてる?帝王切開の傷痕、痛くない?」

 すると3児の母であるママ友はあっけらかんと答えた。彼女は下の子を2人とも、帝王切開で産んでいる。

「うちは全然ないわよ。たぶん『仕事とセックスは家庭には持ち込まない』なんて思ってるんじゃないかな(笑)。仕方ないわ。私も全然その気にならないの。いまやダンナは、子どもの共同養育者って感じ。愛情がなくなったわけではないけれど、トキメキがないの。向こうも一緒なんじゃないかしら。帝王切開の傷痕は痛むわね。でもこれ、普通でしょ。母親になった勲章と考えて、耐えるしかないと思っている」

 驚いたような声を挙げたのは30代前半のママ友だ。彼女も第一子を帝王切開で産んだ。

「えっ、私は、ごめん、傷痕は全然痛まないわ。うちの先生、縫合が上手なんですって。だから一回もふくらんだりしないで治ったし、傷痕も白い筋が残っているだけよ。ほら、こんな感じ」

 セーターの裾をたくし上げ、見せてくれた傷痕は白く平らで、萌さんのとはまるで違ってキレイだった。

「先生ね、1ヵ月後検診の時、私の傷痕を見て、『ほら、出産したなんて分からないくらいキレイですよ』って嬉しそうに褒めてくださったのよ。私も嬉しくて、その夜、主人とも…再開しましたー(笑)」

逆子で緊急帝王切開
縫合の上手い下手は考えなかった

 萌さんは、緊急帝王切開だった。

 36歳、高齢出産の範疇ではあるが、「自然分娩できますよ。うちの助産婦さんはベテランだし、優秀だから」と当初院長は、太鼓判を押してくれていた。

 だが妊娠6ヵ月の頃、状況が変わった。胎児が逆子になったきり、直らない。だが、帝王切開はしたくない。「ベテラン助産婦さんがいる時間帯のお産なら自然分娩できますが、休日、深夜、早朝だと、提携病院で帝王切開になります。覚悟しておいてください」と告げられ、(お願い。いい子だから、ぐるんと回って)と願ったが、直らないまま、破水してしまった。