5.Bird’s-eye

 目の前の問題に押しつぶされそうになっているときには、視野が狭くなっています。自分だけが悲劇のヒロインで、解決策も見えず、何も打つ手がないように感じてしまうのです。

 そんなときは、鳥になったつもりで、少し高いところから引いて見るようにしましょう。不思議なことに、引いて見ると、問題が小さくなったように思えるのです。高い展望タワーに登って街を見下ろすだけでも効果があります。行き詰ったら、ぜひ高いところに登ってみてください。

6.タイムマシン

 先のBird’s-eyeは、物理的に引いて見る視点でしたが、タイムマシンは、時間的に先に飛んでみるイメージです。つまり、「いまだけで結論を出さず、いまからはじまる1年、3年、5年のスパンでプラスになればいい」という考え方です。

 私がかつてコンサルティング会社に在籍していたとき、上司からマニュアルの翻訳を命じられたことがあります。はっきり言って、本流の仕事ではなく、いわば窓際の仕事。はじめは腐っていましたが、途中から「きっと将来、どこかでこの経験が役に立つ」と何とか自分を奮い立たせ、翻訳グループをつくって、なんとかこの作業を終わらせました。

 そして10年後。私は翻訳家としてデビューしていました。いま思うと、あのときの翻訳の経験が、この仕事ができるかもという自信を与えてくれたのです。10年のスパンで考えたら、あの経験がきっかけで翻訳ができるようになったのだから、感謝ですね。

7.IF(もし~)

「もし、1億円あったら?」「もし、自分が社長だったら?」のように、IF(もし~)という実際にはありえない条件を設定することで、発想のブレークスルーを起こすことができます。

 ある化粧品メーカーで研修をしたときの話です。そのメーカーでは、ふだんは、現場で何かアイデアがあっても、いつも却下されてしまうことが多く、現場のスタッフからもあきらめムードが広がっていました。

 しかし、「売上げを上げるためにできることは?」というディスカッションで「ここで出たアイデアは、必ず担当部署に伝えます。なので、もし何も制約がないとしたら、どんな工夫ができるかを考えてみてください」というふうに、IFの力を借りた設定をしたところ、驚くほどユニークで多彩な、光るアイデアがたくさん出てきたのには感心しました。ぜひ、皆さんの会社でもやってみてください。