(4)他の人を紹介する

 他部署からの場合は、納期までにできればいいので、あなたの代わりの人を紹介することも有効です。あなたに部下がいなくてもかまいません。

 同期、同僚、後輩であれば紹介できます。ただし、「田中さんがいいと思います」と名前を伝えるだけでは不十分。相手は「たらいまわしにされた」というネガティブな印象を持ちます。

「今できるか聞いてみますね」や「私からも彼にメールを入れておきます」という「つなぎのひと手間」があると、あなたに対する心証もよくなります。断ったのに「よくしてもらえた」と思ってもらえるのです。

(5)優先度を確認する

 上司からの依頼が一番やっかいです。他の人は紹介できないので、「どう受けるか」しかありません。受ける流れを想定し、優先度と分担を逆提案しましょう。

「この仕事を優先します。Aの資料を明日の15時にレビューしていただく約束でしたが、最終納期は明後日です。定時までに仕上げますので、明日の朝一でフィードバックしていただけないでしょうか?」

 このようにお互いの最善案を提示すれば、上司もそれでいけばいいか、逆に他の人に依頼すべきかの判断ができます。

 すべての仕事を抱え込むのは、最終的に依頼主に迷惑をかけることになります。あえて「NO」を言うほうが親切なときもあります。「NO」と言えず、「受けた・受けない」があいまいになるのが最悪です。

「NO」は単体で使うとしこりを残し、ただ嫌われるだけです。“嫌われる勇気”を持たずとも、どうすれば依頼された仕事が速く進むかを考えると逆に感謝されるので、安心してNOと言いましょう。

■参考記事
「5万人のリストラ」から見えた万年平社員の共通点とは?