「核のゴミ」処理で窮地の関電、東電・原電の施設に“相乗り”浮上関電高浜原発で使用済み燃料プールへ移送される核燃料。今後、移送先は満杯になるため、関電は早急に中間貯蔵施設を確保する必要がある Photo:毎日新聞社/アフロ

原子力発電所から出される使用済み核燃料の貯蔵問題が、にわかに電力業界内外で注目を集めている。中でも、関西電力はこの問題をすぐにでも解決しなければならない最重要課題と捉えているが、解決の糸口すらつかめていない。そこで業界内で浮上しているのが、東京電力HDと日本原子力発電、関電の3社による協力体制構築だ。(「週刊ダイヤモンド」編集部 片田江康男)

 使用済み核燃料の貯蔵問題で、関西電力が窮地に陥っている。

 使用済み核燃料とは、原子力発電に使われた核燃料のこと。いわゆる“核のごみ”で、通常は、各電力会社の原発内にある使用済み核燃料プールに貯蔵されている。

 関電では、その貯蔵プールが満杯に近づいており、核のごみの行き場が問題になっているのだ。

 関電は、高浜原発(福井県)3、4号機に続き、大飯原発(福井県)3、4号機などの再稼働が控えている。高浜原発では向こう6~7年で貯蔵プールが満杯になってしまう。そこで、過渡的な措置として、一時的に使用済み核燃料を貯蔵する「中間貯蔵施設」の確保が焦眉の急になっている。

 しかし、話はそう単純ではない。

 まず、福井県が中間貯蔵施設の受け入れを拒否している。「発電立地としての協力は惜しまないが、ごみは受け入れない」というスタンスなのだ。関電は昨年11月に、福井県の西川一誠知事に対して、中間貯蔵施設の「福井県外での立地候補」を2018年中に示す約束までさせられている。

 では、福井県外で立地の確保ができるのかといえば、それも一波乱ありそうな雲行きだ。