[東京 22日 ロイター] - 英国の欧州連合(EU)離脱後をにらみ、英国に拠点を置く金融サービス会社がアイルランドやルクセンブルクに子会社を設立する動きが相次いでいる。ルクセンブルクのピエール・グラメーニャ財務相は、同国は英国が金融センターの地位を失うことなくEUを離脱するための解決策になれると語った。

同相は訪日中の19日にロイターのインタビューに応じ、「ルクセンブルクが英EU離脱の恩恵を受けているのは事実だが、同時に、われわれは混乱を伴わないブレグジットのための策の一翼を担ってもいる」と述べた。

その解決策とは、ロンドンの金融街(シティー)にある拠点を閉鎖してEU域内の別のところに移転させるのではなく、EU域内に子会社を設立し、ロンドンは金融センターであり続けるということだと説明。

同相によると、英国は既にルクセンブルク籍ファンドの最大の設立国で、直近のデータで全体の17%、額にして4兆1000億ユーロ(約555兆円)が英国からの設立。「リスク管理や会計といったファンドの管理業務をルクセンブルクで行い、資産運用の決定はロンドンで行う。われわれは非常に面白いビジネスモデルを確立している」と自国の金融ハブとしての強みを語った。

その上で、「ルクセンブルクは資産運用会社、銀行、保険会社に子会社設立の望ましい地として選ばれている」と述べ、英EU離脱後をにらんだ金融サービス会社の動きを歓迎。日本企業でも、損保大手の東京海上ホールディングス<8766.T>、あいおいニッセイ同和損害保険、SOMPOホールディングス<8630.T>がルクセンブルクでの子会社設立を決めている。

各国による誘致合戦が熱を帯びる中、欧州の一部からは、そうした子会社の「実体」について問う声も出ている。

これに対し、グラメーニャ財務相は、ルクセンブルクの現行モデルはよく機能しており、変える必要はないとの考えを強調。

「うまく行っているというのは、投資家が守られているということ。問題がないことを変える必要はない」とした上で、「(実体の定義を巡る話は)欧州委員会の提案だが、まだ議論は始まったばかり。われわれは積極的にその議論に加わっていく」と述べた。

グラメーニャ財務相はユーロ圏でも在任期間の長い主要閣僚の1人で、デイセルブルム前ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)議長の後継候補としても一時注目された。

(1 Japanese yen = 0.0074 euros)

(インタビュアー:植竹知子 編集:伊賀大記)