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美人のもと

焼肉

西村ヤスロウ [広告プランナー]
【第124回】 2012年1月16日
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 焼肉は人気者だ。「皆で焼肉を食べよう」と言えば、たいていの人は笑顔になる。「今日、焼肉に行かないか」とデートに誘う男もいる。料理されたものを食べるのではなく、テーブルで焼いて仕上げる。同じ肉でも焼き方でおいしさが変わる。評判のいい店でも焼き方しだいでは残念な味になることがある。

 美人と食べる焼肉はうまい。焼肉をおいしくいただく作法はいろいろあるのだろうが、そういうことをいちいち身につけているわけでもないのに失敗がない。

 何がうまいのか。テーブルの上を最適にすること。食べやすい環境をつくるのがうまい。何より網の上に少しずつきれいに肉が並ぶ。

 ゆっくりいろんな種類を味わう。味の違いを楽しむ。焼けていく様子も楽しむ。程よい焼き加減で食べることができるのだ。注文、焼き方がきれいな感じ。

 美人が知っていること。それは余計なことをしないということ。ひとつひとつを焼いて味わう。それを楽しむのだ。

 簡単なことなのに、なぜかテーブルの上が乱れているのをよく見かける。そして、そのテーブルには「美人のもと」が減っている人がいることが多い。

 肉を焼いて食べる。それは食欲という欲求に素直になる気持が高まる。そのため勢いがつきやすい。そして「余計なこと」がスタートする。

 ついつい勢いであれこれ注文し、テーブルが溢れる。そして食べるスピードも考えずに網に肉を敷き詰めてしまう。隙間があればどんどん焼く。必要以上に裏返す。焼きすぎてあちこちから煙があがり、肉をこがす。人気のない野菜が真っ黒になっていく。かぼちゃが炭のようになる。塩味もタレ味も一緒になっていく。

 こげた肉や野菜は「美人のもと」を減らすのではないか。

 余計なことで必死になっている間に、ロースなのかカルビなのかわからなくなった「美人のもと」を減らす黒い物体を勢いよく食べるので、なかなか満腹にならない。

 満腹を感じたところで疲労も来る。焼肉屋から出てくる瞬間を見ているといい。美人は笑顔で出てくるが、疲れた顔をして出てくる「美人のもと」が減ってしまった人もいる。ゆっくりじっくり楽しむ焼肉。それはスポーツではない。


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西村ヤスロウ [広告プランナー]

1962年生まれ。プランナー。趣味は人間観察。著書に『Are You Yellow Monkey?』『しぐさの解読 彼女はなぜフグになるのか』などがある。


美人のもと

『経』に好評連載中の西村ヤスロウ氏によるエッセイ。「美人のもと」とは、女性なら誰しも持っているもの、「美人のもと」を磨き続けるためのコツを解き明かす。

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