「文通・支援」で社会問題にも目を向けさせる

小学校高学年くらいになると、世界の国々や文化にも関心が向かうようになります。
そんなときは、「自分と同年代の子たちがどんな暮らしをしているのか?」「紛争のなかにある子たちのために何ができそうか?」「世界中が平和に暮らすとはどういうことなのか?」などについて、親子で会話をしてみるのもいいでしょう。

その際に検討してほしいのが、たとえば発展途上国の子どもを支援する活動に参加してみることです。金銭支援や物資救援など、さまざまな形態があります。お小遣いのなかからわずか数百円でも支援すれば、海外だけでなく広く社会に目を向けるきっかけになるでしょう。

なかでもおすすめは、現地の子どもに手紙が送れるプログラムです。子どもが自発的に英語を「書く」機会にもなりますし、もしもそこから文通のやりとりがはじまれば、自分のことを伝えようとする意欲がますます高まっていくはずです。世界の歴史や文化、政情などに興味を抱く糸口にもなるでしょう。

「英語を学ぶ理由」は第一義的には「お子さん本人のため」であっていいと思いますが、身につけた英語力を「他人のためにどう役立てるか」「国際社会のなかでどう生きていくか」という観点で捉え直すことも大切です。

「入試に受かること」だけが学ぶ理由になっている子は、学ぶこと自体を楽しめないまま成長してしまい、受験が終わった途端に学ぶことをやめてしまいます。しかしこれからの時代に本当に必要なのは、ただ単に幅広い知識を詰め込んでおくことではなく、生涯にわたって学び続ける姿勢と意欲を身につけることです。

「ただ英語ができるだけ」で終わらないためにも、ぜひ広い世界にお子さんの目を向けさせてください。

▼フリー・ザ・チルドレン
http://www.ftcj.com
1995年、カナダ人のクレイグ・キールバーガーさん(当時12歳)が設立した国際協力団体です。

▼Who Is Malala Yousafzai?(Dinah Brown/Penguin Random House)
2014年、17歳でノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイさんについての伝記。現在はオックスフォード大学で学ぶマララさんは、パキスタンで女性の権利を主張した結果、命を狙われることになってしまいました。同世代の生き方を考えるうえで、刺激になるであろう一冊です。

※注:本記事の内容は『ほんとうに頭がよくなる 世界最高の子ども英語』から抜粋・再構成したものです。記事中の参照文献・おすすめ教材などは、こちらのサポートページでご確認いただけます。
「世界最高の子ども英語」専用サポートページ
https://booksdiamond.wixsite.com/childenglish

【著者紹介】斉藤 淳(さいとう・じゅん)
J PREP斉藤塾代表/元イェール大学助教授/元衆議院議員。
1969年、山形県生まれ。イェール大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。研究者としての専門分野は比較政治経済学。ウェズリアン大学客員助教授、フランクリン・マーシャル大学助教授、イェール大学助教授、高麗大学客員教授を歴任。
2012年に帰国し、中高生向け英語塾を起業。「第二言語習得理論(SLA)」の知見を最大限に活かした効率的カリキュラムが口コミで広がり、わずか数年で生徒数はのべ3,000人を突破。海外名門大合格者も多数出ているほか、幼稚園や学童保育も運営し、入塾希望者が後を絶たない。
主な著書に、『ほんとうに頭がよくなる 世界最高の子ども英語』(ダイヤモンド社)のほか、10万部超のベストセラーとなった『世界の非ネイティブエリートがやっている英語勉強法』(KADOKAWA)、『10歳から身につく 問い、考え、表現する力』(NHK出版新書)、また、研究者としては、第54回日経・経済図書文化賞ほかを受賞した『自民党長期政権の政治経済学』(勁草書房)がある。