応用言語学や脳科学、教育心理学などのアカデミックな研究では「外国語学習の機会が、子どもの知力やIQを高める」といった知見が蓄積されつつある。本連載では、発売直後から立て続けに増刷が決まった元イェール大学助教授・斉藤淳氏の最新刊『ほんとうに頭がよくなる 世界最高の子ども英語』から一部抜粋して、「世界のどこでも生きていける頭のよさ」を育てるための英習メソッドを紹介する。

英語力を「爆発」させるチャンス!

中学生や高校生から第二言語の学習をはじめた子と、それよりも早くはじめていた子とを比較した場合、「発音」などの面では最終到達レベルに差が出ることがさまざまな研究から明らかになっています。
同じことは留学についても言えます。たとえば大学の学部時代に1年間留学した人よりも、高校生のうちに留学を経験した人のほうが、発音はきれいになる傾向があります。

一方、中学生以降から英語をはじめる場合には、学びの時間を「圧縮」できるというメリットがあります。この時期には母語の能力(国語力)がひとまずの成熟段階を迎えますから、それを補助にして英語力のほうも一気に引き上げることができるのです。
ある程度の論理的な思考力が身についてきた子どもなら、構文はもちろん、品詞の種類や発音記号、抽象度の高い語彙など、ネイティブの子どもたちが10年以上をかけて理解していく知識を、ごく短期間で学ぶことが可能です。

ですので、中学生から本格的に英語をはじめるというお子さんでも、あきらめる必要はありません。方法さえ間違わなければ、幼少期から学習をスタートした子に追いつくことは十分可能です。

他方、それまでに「音」や「映像」を使って学んできたお子さんも、英語力を爆発的に高められるチャンスです。「どうせ文法なんて……」と軽視せず、子どもが前向きに取り組めるような環境を整えてあげてください。