給料日前1週間を乗り切れるお金はいくらぐらい?親友からお金を借りることに抵抗を感じる?M1層ビジネスマンの金銭意識を調査した興味深いアンケート結果が発表された。

 調査はメディア・シェイカーズが運営する「M1・F1総研(R)」が行った「生活ラボニュースvol.9」。実施期間は2011年6~8日、調査手法はインターネット調査。調査対象は1都3県のM1層(20~34歳)の男性会社員。

年齢が上がるごとに
「自由に使えるお金」は減る

 調査ではまず、20~24歳、25~29歳、30~34歳に分け、それぞれの年齢層での年収と「1ヵ月に自由に使えるお金」を聞いた。年収は、270.3万円(20~24歳)、403.9万円(25~29歳)、457.0万円(30~34歳)と年代を追うごとに順調に増える。しかし、「1ヵ月に自由に使えるお金」はその逆で、4万1211.3円(20~24歳)、4万769.2円(25~29歳)、3万6928.9円(30~34歳)と、年齢とともに減る傾向に。

「自由に使えるお金」がご祝儀に消えていく?<br />年をとるほどつつましいM1層のお財布事情とは

 未婚者と既婚者に分けた場合では、既婚者の方が年収は約86万円高いが、「1ヵ月に使えるお金」は約1万9000円も少ない結果となった。結婚することで家族のための出費が増えること、また年齢が上がるごとに貯金に対する意識が上がることなどが理由と考えられる。

 また、「給料日前1週間を乗り切れるお金」も、年収と反比例するかたちで、年代別では6484.0円(20~24歳)、6305.9円(25~29歳)、6125.0円(30~34歳)と年齢が上がるとともに減少している。さらに未婚者は7131.3円、既婚者は4934.3円と大きく差がついた。自由に使えるお金が少なくなることで、やりくり算段も上達するのだろうか。

「ご祝儀貧乏」になっても
友人には借りたくない

 そんなM1層が、最も頭を悩ます出費とはなんだろう。「この1年間にきついと感じた出費」を聞いたところ、最も多かったのが「友人、知人などの結婚式のご祝儀」(33.3%)。結婚適齢期だけに、毎月のように結婚式に呼ばれることも少なくない。3万円程度の祝儀と場合によっては二次会への出席費。「1ヵ月に自由に使えるお金」と照らし合わせると、確かに厳しい。

「お金を工面せざるを得ないと思うもの」という質問も、「関係が深まりそうな女性とのデート」(44.6%)や「今後の人脈につながりそうな会合のセッティング」(39.7%)などを引き離し、「長年の友人の結婚式」(73.2%)がトップとなった。

 金銭関係において友人関係への気遣いを感じるのは次の質問でも同じ。「お金を工面するためにしてよいと思うもの」を聞いたところ、「親や家族から借りる」と答えた人は20.3%だったのに対し、「友人から借りる」と答えた人は8.0%。「会社の給料の前借りや貸し付けを利用する」(6.5%)、「消費者金融を利用する」(5.4%)と答えた人よりは多かったが、「クレジットカードのキャッシングを利用する」(13.0%)、「銀行ローン・カードローンを利用する」(11.8%)と答えた人よりも少なく、友人に金を借りることへの強い抵抗感が見受けられる。

 自由になるお金は少ないけれど、友人へのお祝いはきちんとしたいし、金銭の貸し借りは関係を維持するためにもできるだけ避けたい。現代のM1層のつつましやかな生活と友人関係への考え方が垣間見える結果となった。

(プレスラボ 小川たまか)