経営 X 人事

新任管理職が抱える部下指導の悩みはキャリアコンサルティングで軽減するか

【面談2回目(3日後)】

 メールでのやり取りの後、もう一度希望があり来室。

Gさん「実はあの後、部下と話し合う場を持ちました。一人ひとりと話をして、お互いに気づくところがあったように思います。海外駐在にしろMBAしろ、目標を持つことは悪くないけど、目の前の仕事でしっかり成果を出すことで周囲から信頼され、希望に近づくような後押しも期待できる、と言うと、納得したようで表情が明るくなりました。それを見て、自分がこれまでなんでこんなに悩んでいたのだろう、と思いました」

 なにより大事なのは部下と向き合う姿勢を見せることだと気がついたようだ。偉そうに何かを語るのではなく、部下からでも話を聞かせてもらうという姿勢、気づきを与えるような質問を繰り出すことができたのだと思われる。

【考察(事例から見えたこと、考えたこと)】

 面談を通して、4人の部下一人ひとりの問題を話しているうちに整理ができ、何が問題で、何をすればいいのか、どうアプローチしてみようかなどと自分から考えはじめたようだ。

 部下ときちんと向き合って対話をする前に、先入観も相まってネガティブなイメージで接してしまっていたと思われる。その結果、冷静さを欠き、いらいらして、客観的な分析や行動ができなくなっている自分に気づいた。自分の特性として、気持ちが追いつめられるとそうなりがちなことにも気づいた。

 配属された部署のことをよく知らない場合、相談できる相手がなく、問題を一人で抱え込んでしまうケースが多い。そのような時に、上司からの厳しい指導があると、部下の問題に早めに手を打つことができなくなる。指導者である部長の研修や新任課長研修に反映させることにする。

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「企業内キャリアコンサルティング」入門

2016年4月より国家資格となったキャリアコンサルタント。厚生労働省は企業内にキャリアコンサルタントを置き、従業員のキャリア支援を促進することを唱道している。本連載は、他社に先駆けて2001年に伊藤忠商事でキャリアカウンセリング室を創設して初代室長となり、退職後もライフワークとして「企業内キャリアコンサルティング」の普及に努めている浅川正健氏が、キャリアコンサルティングの望ましいあり方と、実際のコンサルティング事例を解説する。

「「企業内キャリアコンサルティング」入門」

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