1月22日、来月9日開幕する平昌冬季五輪を控え、北朝鮮の馬息嶺(マシクリョン)スキー場に自国選手を派遣して南北合同トレーニングを行うという韓国の提案は、金正恩政権を正当化するだけでなく、現金供与につながるリスクがあると、脱北者や専門家が警鐘を鳴らす。写真は馬息嶺スキー場を視察する金正恩氏。2013年12月KCNA提供(2018年 ロイター)

[ソウル 22日 ロイター] - 来月9日開幕する平昌冬季五輪を控え、北朝鮮の馬息嶺(マシクリョン)スキー場に自国選手を派遣して南北合同トレーニングを行うという韓国の提案は、金正恩政権を正当化するだけでなく、現金供与につながるリスクがあると、脱北者や専門家が警鐘を鳴らす。

 五輪開会式における統一旗を掲げた南北合同の入場行進や、アイスホッケー合同チームの結成など、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権が提案した南北融和策は、すでに国内から批判を浴びている。

 もし、金正恩・朝鮮労働党委員長の肝いりで作られた朝鮮半島東岸の元山(ウォンサン)近郊にある高級リゾートを支援していると受け止められれば、文政権はさらなる圧力にさらされるだろう。

「合同トレーニング案は、一般市民が飢えに苦しむ中でスキーリゾートを建設するという本来、時代錯誤な金正恩氏の決定を、先見の明ある決断だったと正当化するプロパガンダの道具になる恐れがある」と、韓国外交部の元副部長Kim Sung-han氏は指摘した。

 北朝鮮の平昌五輪参加は、この機会を利用して南北の緊張を緩和し、北朝鮮の核・ミサイル開発を巡るこう着状態を打開する契機としたい文大統領の目標だった。

 韓国政府は今週、現地に担当者を派遣して、同スキー場の施設や、自国スキー選手が移動に利用するかもしれない近隣の葛麻(カルマ)新空港を視察する予定だ。合同トレーニングに参加する韓国選手は、五輪には出場しない見通しだという。