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経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

いよいよ「第1次高齢者ブーム」へ
65年の時差を伴ってベビーブームの「裏」が始まる
――森田京平・バークレイズ・キャピタル証券 チーフエコノミスト

森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト],熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト],島本幸治 [BNPパリバ証券東京支店投資調査本部長/チーフストラテジスト],高田 創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]
【第51回】 2012年1月18日
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消費税率引き上げ論議:
2012年の焦点は「経済的影響」よりも「政治的影響」

 1月6日、政府・与党は消費税率を2014年4月に8%に、2015年10月に10%に引き上げるという「社会保障と税の一体改革素案」を決定した。

 同税率の引き上げが2014年4月からであることを踏まえると、2012年はその「経済的影響」ではなく「政治的影響」に焦点が当てられる。

 野田内閣は、3月に消費増税準備法案を国会提出する方針にあるが、現在の議席配分を考慮すると、①同法が参議院を通過するためのハードルはかなり高い、②参議院で否決された場合、衆議院で再可決することも困難、と言える。

 仮に消費増税準備法案が次期通常国会(1月24日召集の方向)で否決されることがあるとしても、2010年代半ばの消費税率引き上げというシナリオ自体は維持するべきであろう。

 むしろ、同法案の否決を受けて衆院解散・総選挙となった方が、消費税率引き上げの議論はしやすくなるのではないか。いずれにせよ、日本は消費税率引き上げの議論を避けられるような財政状況にない。

一般政府の財政収支:
「双子の赤字」から「3つ子の赤字」へ

 財政収支は政府のISバランス(貯蓄投資差額=貯蓄-実物投資)で表すことができる。たとえば、中央政府の財政赤字(=新規財源国債)を考えると、いわゆる建設国債は実物投資(I)が貯蓄(S)を上回る場合に、赤字国債は貯蓄(S)自体がマイナスの場合に当たる。したがって、「財政収支=S-I(ISバランス)」となる。

 中央政府、地方政府、社会保障基金(年金など)を合わせた一般政府のISバランスは、2006年度にはGDP比-0.7%までマイナス幅(つまり赤字幅)が縮小した(図表1参照)。

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森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト]

もりた・きょうへい/1994年九州大学卒業、野村総研入社。98年~2000年米ブラウン大学大学院に留学し、経済学修士号を取得。その後、英国野村総研ヨーロッパ、野村證券金融経済研究所経済調査部を経て、08年バークレイズ・キャピタル証券入社。日本経済および金融・財政政策の分析・予測を担当。共著に『人口減少時代の資産形成』(東洋経済新報社)など。2010年7月より、参議院予算委員会内に設置された「財政再建に向けた中長期展望に関する研究会」の委員を務めている。

 

熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト]

くまの・ひでお/第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト。 山口県出身。1990年横浜国立大学経済学部卒。90年日本銀行入行。2000年より第一生命経済研究所に勤務。主な著書に『バブルは別の顔をしてやってくる』(日本経済新聞出版社)など。

島本幸治 [BNPパリバ証券東京支店投資調査本部長/チーフストラテジスト]

しまもと・こうじ/1990年、東京大学卒業、日本興業銀行入社。調査部門で金利分析や経済予測を担当。2000年からBNPパリバ証券で投資調査本部長兼チーフストラテジストとして金融市場予測を担う。日本経済新聞社の債券アナリスト・エコノミスト人気調査の債券部門では06、08年に1位。金融庁の金融市場戦略チームや金融税制研究会、行政刷新会議の事業仕分けなどに参加。

高田創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]

たかた はじめ/1958年生まれ。82年3月東京大学経済学部卒業、同年4月日本興業銀行入行、86年オックスフォード大学修士課程修了(開発経済学)、93年審査部、97年興銀証券投資戦略部、2000年みずほ証券市場営業グループ投資戦略部長、06年市場調査本部統括部長、チーフストラテジスト、08年グローバル・リサーチ本部金融市場調査部長、チーフストラテジスト、11年より現職。『銀行の戦略転換』『国債暴落』『金融市場の勝者』『金融社会主義』など著書も多い。


経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

リーマンショック後の大不況から立ち直りつつあった日本経済の行く手には、再び暗雲が立ち込めている。留まることを知らない円高やデフレによる「景気腰折れ不安」など、市場に溢れるトピックには、悲観的なものが多い。しかし、そんなときだからこそ、政府や企業は、巷に溢れる情報の裏側にある「真実」を知り、戦略を立てていくことが必要だ。経済分析の第一人者である熊野英生、高田創、森田京平(50音順)の4人が、独自の視点から市場トピックの深層を斬る。

「経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層」

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