モバイルPC市場を「ほどほど感重視」へ変える“CULVモデル”の可能性
インテルが新たに投入したプロセッサ“CULV”を搭載したモバイルPC「U20Å」(ASUS製)。ピュアモバイルと比べてCPUの性能はやや劣るが、価格はなんと半額以下と「割安感」が抜きん出ている。

 最近は、持ち歩ける「モバイルノートPC」の種類が増えて混乱しそうなので、まず最初に整理しておこう。

 おなじみの「ネットブック」は、コンパクトで軽く、機種によってはバッテリー駆動時間も延びている。だが、CPUがATOMなので、仕事に使うにはパフォーマンスがイマイチだ。

 昔から開発を続けられてきた「ピュアモバイルノート」は、マグネシウムやカーボンのボディを採用し、1キログラム前後の軽さで10時間ほど駆動する。いわば、「持ち歩きのための究極マシーン」だ。ただし、価格は20万円以上と割高だった。

 ところが、このところのPC価格の暴落を受け、15万円程度のモデルも増えている。実は、このモデルが日本メーカーのお家芸であり、コストよりもモバイル性を重視し、究極と言えるモデルを各社がラインナップしているのだ。「Let's note」や「dynabook SS RX2シリーズ」などが該当する。

 さらに、13~14型液晶を搭載する若干大きな「セミモバイルノート」というジャンルもある。こちらは、1.5~1.8キログラム程度とギリギリ持ち歩ける重量だが、本体サイズが大きくてキーボードを含めた使い勝手がメインマシン並みだ。

 さて、このわかりにくいモバイルノート市場に、また新たな製品が登場し始めている。インテルが新たに投入したプロセッサCULV(Consumer Ultra Low Voltage)を搭載したモデルがお目見えしているのだ。

 このCPUは、低価格で電力消費が少ないのが特徴だ。要するに、「ネットブックより上で、ピュアモバイルノートより安い製品」と考えればよいだろう。