1月24日、アジアの輸出企業はドル安で業績が打撃を受けるが、原材料価格や債務コストの上昇を緩和するプラス効果も。2010年撮影(2018年 ロイター/Yuriko Nakao)

[シンガポール 24日 ロイター] - アジアの輸出企業は激しいドル安で業績が打撃を受け、輸出契約の再交渉を模索する動きもある。ただ、国内外の景気が好調なため、ドル安が原材料価格や債務コストの上昇を緩和するプラス効果も享受している。

 ドルは昨年、他の主要通貨に対して10%下落した。アジア通貨の対ドル相場は韓国ウォンが3年ぶり、人民元が2年ぶりの高値を更新。日本やタイの自動車メーカー、韓国のハイテク企業、中国の半導体メーカーなど輸出を主力とするアジアのメーカーは、さらなるドル安への備えを進めている。

 日産自動車は円が対ドルで1円上昇するごとに営業利益が170億円(1億5480万ドル)減少する。日産の広報担当のニック・マックスフィールド氏によると、2018年3月末会計年度はドルを含む全通貨の為替変動により、営業利益が600億円押し下げられる見通しだ。

 半導体製造世界2位の韓国SKハイニックスは、ドルが対ウォンで10%下落したためドル建て海外資産で約3000億ウォン(2億8060万ドル)の損失を被った。

 中国非鉄金属工業協会の半導体業部門の幹部によると、中国企業は昨年海外の取引先と結んだ長期契約の採算性がドル安などの影響で悪化した。「利益が確保できない見通しで、企業は生き残りのため税金逃れに走る恐れがある」という。

 アジアの自動車生産・輸出拠点を担うタイも、中東での自動車需要の落ち込みにバーツ高が追い打ちを掛けた。トヨタ自動車のタイ現地法人の幹部は「バーツ高で利益が落ち込み、買い手との再交渉などコスト管理に取り組まざるを得なくなった」と話した。