政府は消費税増税を決めた。現在5%である消費税の税率を、2014年度に8%に引き上げ、さらに15年度に10%に引き上げる。

 これによって日本の財政収支は好転するだろうか?以下は、それについてのシミュレーション計算である。同様の計算が『消費増税では財政再建できない』に示してあるが、以下の計算は、増税の時点と地方との配分比率について、2012年1月の政府決定にあわせて微調整を行なったものである。ただし、結果に大きな違いはない(計算の方法と仮定は、本稿の最後を参照)。

増税の効果は
数年しかもたない

 シミュレーション結果は、【図表1】に示すとおりである。

 増税によって、新規国債発行額は、2013年度の45.8兆円から、14年度には44.8兆円、15年度には43.0兆円へと縮小する。

 しかし、17年度には45.9兆円と元に戻ってしまう。つまり、今回の増税の効果は数年しか継続しないわけで、財政再建という目的のためには、焼け石に水でしかないことになる。

 消費税だけで財政再建しようとすれば、今後も際限ない増税が必要となる。最終的には消費税率を30%程度にまで上げる必要がある。