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イケテルカノジョ養成講座

いいんだぜ、男が泣いたって。たぶん。【前編】

降旗 学 [ノンフィクションライター]
【第3回・前編】 2012年1月20日
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見ることは、感じることと同じように鍛えられる。というよりは、むしろ、洗練された目は、細やかで、鋭敏な感情に他ならない――、ジャン=ジャック・ルソー『新エロイーズ』の一節より。
 
 

 映画が好きなので、よく見る。若いころは年二〇〇本くらいのペースで見ていた。

 ような気がする。もっと見ていたかも。暇人と言われそう。

 週末は欠かさず。デートのときもまずは映画からだった。今日はきみの好きなところへ連れてってやるから、最初の二時間だけぼくにくれ。それで映画見ようよ。なんてことをしょっちゅう言ってた。

 そーいうとき、わかったわ。じゃあ映画が終わるころに映画館に迎えに行ってあげる。それとね、あたし、マダガスカル島に行きたいの。あなたが映画を見ているあいだに、パスポートを取りにいったん家に帰るわね。

 などと戯けたことを言っていたガールフレンドがいたが、とどのつまりはそーいうふざけたやつがいま私の女房やってます。んがつつ。

 ちなみに、んがつつ。というのは……、略。先週も負けました。

 週末に映画館の脚立……、じゃなくて、階段……、でもなく、梯子なんてのはしょっちゅうやっていて、平日も、取材と取材の合間にちょっと時間ができると映画館に飛び込んでいた。そのせいで次の取材に遅れてしまうこともあった。

 ような気もする。しょっちゅうじゃないです。週に一回くらい。

 地方に行ったら見逃していた映画を一カ月遅れでやっていて、やったー。と思って見ていたら帰りの飛行機に乗り遅れたり。で、慌てて担当編集者に電話を入れる。携帯のない時代の話です。

 「どうしたんだお前、今日戻る予定じゃなかったのか」
 「それがまだ現地なんです。何故かと言うと、え~っと……、ちょっと面白いことになりそうというか、面白いことになったので、もう一泊しちゃおうかな、なんて」
 「そうだったのか。わかった、そういうことならもう一日粘ってみてくれ。裏が取れると面白いことになりそうだ。頼むぞ」

 お任せください。などと言っておきながら、さーて、どこで飯食おうかなー。と繁華街をぶらぶらしていた愚か者は誰でしょう。言っときますが、私は一言もいいネタを拾えそうだ。なんて言ってません。

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降旗 学[ノンフィクションライター]

ふりはた・まなぶ/1964年、新潟県生まれ。'87年、神奈川大学法学部卒。英国アストン大学留学。'96年、小学館ノンフィクション大賞・優秀賞を受賞。主な著書に『残酷な楽園』(小学館)、『敵手』(講談社)、『世界は仕事で満ちている』(日経BP社)他。


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きみは優秀なビジネスマンだ。周囲の信頼は厚く、友だちも多い。そして仲間にも頼られる。が、しかし……、恋人だけがいない。あなたはとても魅力的な女性だ。仕事も頑張って、自分磨きも怠らない。男友だちだってたくさんいるのに……、何故か恋人ができない。いつも元気で、前向きで、どんなことにも興味を持って挑戦する勇気があるのに、恋にだけは臆してしまう。そして、自信をなくしたて落ち込んだり。そんな男女がたくさんいる。イケテルカノジョを恋人にしよう。イケテルカノジョになって、素敵な恋をしよう。ノンフィクションライター降旗学が送る恋愛下手な人たちへの応援コラム。

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