ヴィーニャ・ヴェントレラ
Vina Ventolera

パシフィックコーストからの旋風

(左)電力は強い風を生かして風力発電でまかなう。水も雨水を使うという。(右)南の無人島の秘密基地…。映画のポスターかレコードジャケットか

 ヴェントレラは、「強く吹く風」という意味。その名の通り海岸からほど近いレイダ・ヴァレーの丘には強く冷たい風が吹くという。

 一方、ランドクルーザーに乗り、ロデオでもやっているのかという激しく揺られながらでこぼこ道を10分ほど上がった場所にある畑は、抜けるような青空と肌を刺す太陽の力の中にあった。

 ただ冷涼なのではなく、存分に空からのエネルギーもいただく。丘の上の秘密基地のようにたたずむ醸造所は、真面目とやんちゃの二面性。オープンタンク、ステンレスの小樽など、この環境にあるメリットを生かすために彼らが考える施設とともに、オーナーの趣味であるヴィンテージバイクが並ぶ。

 16日に及ぶ旅の最後で訪れたブティックワイナリーだったが、慎ましやかなアロマからパワフルな余韻へと変化するソーヴィニヨン・ブランをテイスティングして思わず声に出した言葉は「チリはまだこんな隠し玉をもっていたのか!」。

(左)オーナーの趣味のバイクギャラリーはそのまま右手のセラー、醸造タンクとつながる。(右)衝撃的だったソーヴィニヨン・ブラン。強風をアイコンにした『ヴェントレラ』

 ピノ・ノワールとシラーのブレンドであるシグネチャー『ヴェントレラ』の各ヴィンテージは、黒い果実のコンフィチュールにフレッシュトマトの爽やかさが、ピュアなフィネスの中で溶け合い、奥ゆかしいスパイスとともに体の中にすーっと入っていく。

 そしてやはりパワフルで長い余韻。印象的なボトルデザインとともに、こういうワインを東京で飲むとどんな気分になるのだろうと、しばし目を閉じた。

>Vol.3 セパージュに続く

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