A. Lange & Söhne

1815“ウォルター・ランゲへのオマージュ”

ジュネーブサロン開幕!<br />2018年、注目の新作時計を紹介する!<br />【Vol.6】A.ランゲ& ゾーネ手巻き、18KYGケース、40.5㎜径 534万円(税別 予価) 手巻き、18KWGケース、40.5㎜径 534万円(税別 予価) 手巻き、18KPGケース、40.5㎜径 534万円(税別 予価)

ランゲ家の秘伝を“1815”に込めた記念モデル

 今年のA.ランゲ& ゾーネに登場した「1815」は、2017年に他界したブランド復興の祖であるウォルター・ランゲに捧げるものだった。

 第2次世界大戦後、工房のあったグラスヒュッテが東ドイツ領となり、A.ランゲ& ゾーネは国営として接収されてしまう。そうやって歴史の舞台から姿を消したのだが、50年弱の長い眠りの後、東西ドイツの統合という歴史的な出来事もあって、1990年に復活する。そのとき、いち早く動き復興に向け尽力したのが、ウォルター・ランゲなのである。

 そして、1994年にA.ランゲ& ゾーネの旗艦モデルとなる「ランゲ1」など4作が発表され、時計界の最前線へと返り咲くことになる。

 そんなブランドの重要人物に向けての記念モデルは、やはりそれに相応しいものだった。

 この「1815“ウォルター・ランゲへのオマージュ”」には、1秒毎に歯切れよく進むセンターセコンドが装備されている。これは、通常の機械式時計、たとえばこの毎時2万1600回であると1秒間に6分の1刻みで進む。それを、このジャンピングセコンドは一気に1秒進めるのだ。さらに、止めることも、また動かすこともできるのである。

 この「ステップ運針式秒単位ムーブメント」は、ウォルターの曾祖父であるA.ランゲ& ゾーネの創業者フェルナント・アドルフ・ランゲが開発し、祖父のエミール・ランゲが実用化したもの。つまり、ランゲ家に受け継がれてきた秘伝の技でもあるのだ。ちなみに、この方式は、ドイツが初めて交付した特許のひとつでもある。

 外観は、いたってクラシカルでシンプル。そして、内には確かなものを秘めている。ウォルター・ランゲがイメージした完璧な時計を模索して得られた答えがこのジャンピングセコンドを搭載した“1815”だったのである。

 モデルはすべて限定。ケースは、イエローゴールド27本、ホワイトゴールド145本、そして、ピンクゴールドが90本用意されており、それぞれの限定数はランゲの歴史の中で節目となった年、または年数を表している。