[東京 29日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、26日のニューヨーク午後5時時点とほぼ同水準の108円後半。ドルは前週末の要人発言を契機とする乱高下の後、戻りが鈍く、早朝に108.28円と4カ月半ぶり安値をつけた。午後は若干買い戻されたが、下値警戒感は続いている。

きょうは、インフレ指標として米連邦準備理事会(FRB)が重要視する12月のPCEコア・デフレーター(食品・エネルギーを除く)が発表予定。市場予想はプラス1.6%で11月のプラス1.5%から上昇するとみられている。

午前10時すぎには米10年債利回りが上昇し、ドルは108.99円まで値を回復したものの、その後、再び弱含んだ。

「米国では30日にも、インフラ投資計画が公表されるが、それにより米財政赤字が膨らむという連想もあり、悪い金利上昇が起きている」(金融アナリスト)、「長期的なドル高を望むとのトランプ発言でも、110円台回復がままならない状況で、111円が遠ざかりつつある」(同)という。

スイスのダボスで行われた世界経済フォーラム年次総会では、要人発言が為替相場を揺らした。

黒田日銀総裁は、26日のパネル討議で「インフレ率が日銀が目標としている2%に達するのを阻む複数の要因が存在しているものの、賃金と物価は緩やかに上昇しており、目標にようやく近づいてきた」と発言し、円高を誘発。

日銀広報課は、同発言は「展望リポートの見解と変わらない」との補足説明を行ったが、その後もドル安は続き、今朝5時台には108.28円まで下落した。

ダボス会議に集まった各国中銀の関心は「日銀がGDPを超える規模まで資産購入を行っているにもかかわらず、緩和の成果がみえない状況で、どこまで緩和をしたら気が済むのかということだった」(国内銀)という。

そうした中で、黒田氏は改めて、安倍政権が望む緩和継続の意志を示し、「いい方向に向かっているとのセルフ・アピールも必要だったのではないか」(同)との声もある。

しかし、インフレが低いからといって、完全雇用の中でいつまでも緩和的な金融政策を続ければ、資産バブルを醸成し、突然のインフレの高進などで、将来の経済変動や国民負担を大きくするとの認識が、欧米中銀の出口戦略の背景にある。

ドル/円<JPY=>  ユーロ/ドル<EUR=>  ユーロ/円<EURJPY=>

午後3時現在 108.79/81 1.2412/16 135.03/07

午前9時現在 108.59/61 1.2429/33 135.00/04

NY午後5時 108.70/73 1.2419/23 135.02/06

(為替マーケットチーム)