小麦ふすまと組み合わせた
世界初の進化形シリアルを展開

 シリアル市場で世界的なブランド力を持つケロッグでは、機能性を重視した商品開発も続けてきた。その代表例が、食物繊維が豊富な小麦ふすまを使った「オールブラン」だ。

ケロッグ
執行役員 マーケティング本部長
大谷 弘子

 「“ダイジェスティブウェルネス(DW=腸の健康)”を維持するリーディングブランドとして、当社では世界各国に研究所を持ち、小麦ふすまと組み合わせるべき素材を追求してきました。中でも日本は腸に関する研究が進んでおり、世界で初めて、小麦ふすまとバーリーマックスを組み合わせた『オールブラン プレミアム』を18年2月より発売しています」

 と話すのは、執行役員でありマーケティング本部長の大谷弘子氏だ。今後、日本発信の進化形シリアルとして、世界中でお目見えする可能性も秘めているという。

 今回の商品開発では、食感や味の決定までに苦労が重ねられた。バーリーマックスには独特の風味と硬さがあったためだ。

 「機能面では折り紙つきでも、美味しくなければ継続して食べてはいただけない。健康な人が、健康維持のために食べる機能性シリアルの難しい点です」

 幾度もの試作を重ね、バーリーマックスをフレーク状にして小麦ふすまと混ぜる製法を採用。同社フルーツ系シリアルでも人気の高いストロベリーやマンゴーを加え、華やかな風味もプラスした。

 さらに、15年に立ち上げたユーザーコミュニティー「オールブラン アンバサダープログラム」に参加する約6000人の意見も取り入れながら、新たな食べ方の提案も積極的に行っている。「牛乳やヨーグルトをかけるばかりでなく、サラダにトッピングしたりハンバーグのつなぎにしたりするなど、機能と味を両立したことで食べ方の多様性も広がっています」

 同社では、総合フィットネスクラブを展開するティップネスや蔦屋書店・T-SITEなどのカフェとコラボし、「オールブラン プレミアム」を毎日の食生活に取り入れる提案にも積極的だ。飽きさせない仕掛けを行うことで、さらなる新商品の開発も模索していく構えだ。