7人もの日本人選手が入札によるポスティング・システムやフリーエージェント(FA)でメジャーリーグ入りを目指すことが話題になった今オフシーズン。しかし交渉や入札が期待通りとはいかず中には破談に終わったケースも出ている。

 日本人選手に対する評価が厳しくなっているという声もあるが、では実際のところどれぐらいの評価を受けているのだろうか。複数年契約や専属通訳、トレーナーなど諸条件あるが、読み解く一つのカギとなるのが年俸の額である。今回はアメリカの全国紙USAトゥデーが公開している昨シーズンのメジャーリーグ年俸データベースから、今オフに挑戦した中島裕之内野手、岩隈久志投手、ダルビッシュ有投手の3人を例に分析してみたい。

ヤンキースと破談の中島
控えで80万ドルは高いか安いか?

 まず最初に取り上げるのはポスティングを利用した中島である。ヤンキースが落札し、独占交渉権を得たものの結局破談となり、西武残留となった。当初からヤンキースが控え扱いだったことが交渉が難航することは予想されていた。提示された年俸は80万ドルと報道されている。

 ではこの80万ドルという金額はどれぐらいの評価なのだろうか。ヤンキースはスター選手を揃えた金満球団として有名だ。たしかに昨シーズンの年俸総額は約2億2670万ドルで、メジャーリーグの中でもダントツに多い。平均年俸は675万6300ドルに及んでいる。

 ただ、中央値を見るとと210万ドルに過ぎない。たしかに3200万ドルというとてつもない額のアレックス・ロドリゲス三塁手を筆頭に、高額の選手も多いのだが、メジャーリーグ全体の平均年俸330万ドルより低額な契約の選手も多いのである。