[東京 31日 ロイター] - 黒田東彦日銀総裁は31日午前の参議院予算委員会で、物価が上がりにくいのは世界的な状況との認識を示し、今後も粘り強く現在の金融緩和を続け、物価2%目標をできるだけ早期に実現することが使命だと語った。小川敏夫委員(民進)の質問に答えた。

総裁は2013年4月の大規模緩和導入から5年近くが経過したにもかかわらず、物価目標が達成できていない原因を問われ、この間の原油価格の大幅な下落によって実際の物価上昇率が低下し、それを受けて中長期的な予想物価上昇率が下押しされたことが主因と語った。

さらに、これまで長くデフレ状況が続いていた中で「デフレマインドの転換に時間がかかっており、企業の価格設定スタンスはなお慎重」との見方も示した。

足元では、消費者物価(生鮮食品除く、コアCPI)の前年比上昇率が0.9%までプラス幅を拡大させており、最近の原油価格の上昇が「一定のプラスに貢献している」としたが、先行きは需給ギャップと予想物価上昇率がさらに改善することが最も重要とした。

その上で、世界的にも物価が上がりにくい状況にあり、米欧の中央銀行も物価目標は実現できておらず、2%到達時期が先送りされていると指摘。物価目標が達成できていない現状を踏まえ、日銀として「今後も粘り強く現在の金融緩和を続け、2%の物価安定目標をできるだけ早く達成することが使命」と語った。

(伊藤純夫)