日本ではあまり知られていないが、先週開催されたダボス会議で、ジョージ・ソロス氏が、スマホやSNSがもたらす悪影響について警鐘を鳴らした。これはグローバルな問題意識という点で、興味深い

日本では知られていない
ダボス会議での「ソロス演説」

 先週1月22~26日に開催されたダボス会議に関する日本での報道は、米国トランプ大統領の演説ばかりでした。しかし、実際には様々なグローバル・アジェンダについての議論が行われており、中でも第4次産業革命やデータ覇権についての議論が盛り上がったそうです。

 その関連で個人的に注目したのは、投資家であり慈善家でもあるジョージ・ソロス氏の演説です。ソロス氏は演説の中で、データ覇権のみならず、当連載で前回も含めて何度も指摘しているスマホやソーシャルメディアがもたらす悪影響についても、警鐘を鳴らしているのです。

 日本ではソロス演説については報道されていないと思うので、演説の関連部分を引用しておくと以下の通りです。

・フェイスブックやグーグルが強大な独占企業になったことで、イノベーションの障害となるのみならず、私たちがこれまで気づかなかった様々な問題を引き起こしている。

・ソーシャルメディア企業は、ユーザの関心(attention)を操作して自らの利益の最大化に役立つよう仕向けている点で、ユーザを欺いている。彼らは、計画的に提供しているサービスに中毒性(addiction)の要素を盛り込んでいる。これは、特に青少年には非常に有害である。ネットのプラットホーム企業がやっていることは、カジノでギャンブル企業が客をカモにする(hook)のと同じである。