“バケツ回復”は
ここから始まった!

 データを活かせるようになったのは、「社長の営業プログラム」で訪問先を絞り込むことを教えられたことがきっかけでした。

 顧客データを改めて見ると、保育園や幼稚園を通して入会した子どもたちが多い。
 ただ、保育園や幼稚園経由で入会した子どもたちは、卒園と同時にほとんどが退会していた。
 新規開拓に労力をかけるより、子どもたちが継続するための策を打つほうが賢明です。

「戸別訪問をやめて、保育園や幼稚園への営業に集中して園でチラシを配ることにしました。
 また、園と連携して水泳教室で卒業式を実施。プールで練習をしている写真とコーチからのコメントを添えた卒業証書を手渡しました。
 お子さんが成長した姿を見て、涙を流す保護者の方もいました。
『せっかくだからもう少し続けてみようかしら』と言ってくださって、継続率がグンと上昇しました」(岡社長)

 これまで卒園後も継続する人は200人中7~8人にすぎなかったが、独自に卒業式をやり始めてから60~70人に。業績も一気に向上して、現在はピーク時と同じ2億1000万円の売上になった。低迷期間が長かったので、V字ならぬ“バケツ回復”です。

 岡社長が“バケツ回復”を成し遂げたのも、わからないなりに顧客データを記録していたからです。
 使わないからと捨ててしまったら、浮上のきっかけをつかめずにバケツの底が完全に抜けていたでしょう。

 ぜひ、第1回連載にある、【あなたの会社の危険度ワースト「15の死角」】をチェックしながら、『数字は人格』をカラダ中の細胞に植えつけていただけたらと思います。