中小企業の経営者の方たちには、「何が売れそうか」という目線ではなく、ぜひとも「消費者が求めている本質的なwhat」と向き合い、戦略を考え、意思決定をしていただきたいと思います。そういう思考になっている時点で、あなたはすでに立派なマーケターです。

思いの中心にあるのは「マーケティングで日本を元気にしたい」

 この連載の最後に、私が2017年に起ち上げた「刀」という会社と、その背景や展望についても語っておきたいと思います。

「刀」のホームページ(https://katana-marketing.co.jp/ )を見ていただくとわかる通り、私の真ん中にあるのは「マーケティングで日本を元気にしたい」という思いです。

 マーケティングとは「市場の価値を創造すること」ですし、価値を創造するためには、市場構造を分析し、マーケットにおける自らのポジションを高める戦略を練る必要があります。そして、それらの戦略を確実に実行できる組織づくりをしなければなりません。

 残念ながら、今、日本の企業なかでその3つをきちんと満たし、マーケティングドリブンの組織となっている会社は、決して多くはありません。変わりゆく市場構造についていけずにジリジリと業績を落とし、利益率も下降している一方で、戦略を実行しようにも、組織のなかでコミュニケーション不全が起こり、まるで機能していない。そんな会社を、私はいくつも見てきました。

 これでは、日本企業の多くは沈んでいってしまいます。そんな状況を改善するために、わずかでも、自分にもできることがあるのではないか、何かしらお手伝いできるのではないか、という思いで「刀」という会社を作りました。

 これまで私はP&Gにしろ、USJにしろ、社員として会社の内部からさまざまな変革、改革を進めてきました。なので「刀」を起ち上げた際、「これからは外部の人間としての組織に関わっていく難しさがあるのではないか?」というご指摘、ご質問を受けました。たしかに、その難しさはあります。