経営 X 人事

サッポロHDは若手人材を「越境」させて育成する

 ほかにも「部門間の連携が悪い」「部門間の情報交換の機会を持ちたい」「どういう仕事があるのかが見えない」といった声も挙がっていた。

 こうした人事にまつわる喫緊の課題を解決すべく、若手に地区本部・工場から本社へ「越境」する経験を与えることにより、自ら燃え、自ら越えて行けるような人材へと育成するとともに、その成長をサポートする関係各所のそれぞれの気づきをもって、社内の壁を取り払う組織開発に取り組んだのが「越境プロモータープログラム」だ。

「越境」するとは?

 「越境プロモータープログラム」は簡単に述べると、地区本部・工場から公募で選ばれたリーダーとメンバーによる「越境チーム」が今の所属部署に在籍しながら、希望する本社の部署の実務を3日間体験する。その体験を元に、「越境」した本社部署が抱える課題解決に向けて、4ヵ月間に渡って提案をするというプログラムである。

 実施する際もかなり大掛かりなものになる。詳しくは下図を見ていただきたいが、地区本部・工場から本社に越境する「越境チーム」、本社側の「受け入れ部署」それぞれに、リーダー役とメンバー、さらにそれをサポート・フォローする人員なども配置され、多数の部署や従業員が関与する一大プロジェクトとなる。

(出所)サッポロホールディングス資料 拡大画像表示

 プログラムの流れは、事前に「越境チーム」に、本社部署で学びたいこと、本社部署が持っているであろうと予測する課題を提出してもらい、本社受け入れ部署には、それに対応した受け入れのプログラムを組んでもらう。それをもって、3日間の実務体験(メンバーは初日のみ)を実施する。

 これだけでは、単なる“職場体験”で終わってしまいそうだが、先に述べたようにこのプロジェクトは4ヵ月間。「越境チーム」は地区本部に戻って所属部署の業務を行ないつつ、その後4ヵ月間にわたって社内インフラの“プロジェクトサイト”を通じて、課題解決に向けた提案を行う。この際の提案に関しては、手の込んだものは求めておらず、期間中なら何度でも提案してよいとしている。

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