経営 X 人事

サッポロHDは若手人材を「越境」させて育成する

 それが2015年秋。当初は2017年からスタート予定だったが、その期間がもったいないと2016年にトライアルとして2チームの「越境」を行った。

 「人事は何をやり出したんだという意見がある中でのスタートでしたが、トライアルがとてもうまくいったので、社内の理解が得やすくなりました。また、実際にやってみて、これはハードルが高い、ここにはフォローが必要という課題も見え、改善することができました」(大波氏)

 関わる人員が多いため、1チームの「越境」に対しても、プログラムを主導する事務局は関係各所への説明に多くの時間と労力を要する。

 「このプログラムは、越境に送り出す側、受け入れ側の双方にとても負荷をかけます。その分、人事部の我々も汗をかく必要がある。幸いなことに、2017年に本格的にスタートする際は、トライアルで受け入れてくれた部署の支店長が説明会に同席してくれ、メリットを語ってくれた。そのため、社内の理解のスピードが早まり、そうした声が経営陣にも届き、プログラムの効果を感じてもらうことにつながりました」(大波氏)

最終目的は「このプログラムがなくなってもよくなること」

 2016年のトライアルに続き、2017年には6チームの「越境」を実施した同社だが、その成果として、予算配分方法の見直し、ギフト戦略のアイデアなど、「越境チーム」による提案が生かされた事案が出てきているという。また、4ヵ月間のプログラムを終えたのちも、社内プロモーターといった形で交流を続けているチームと部署もあるという。

 また、本社に「越境」して、地区本部に戻ったメンバーからは「本社との間に自分で勝手につくっていた壁が払拭できた」「今後の自身のキャリアビジョンを描きやすくなった」といった感想が挙がるなど、人事部の狙いどおりとも言える成果も見えてきた。自分の提案により本社部署が行動したことで自信を持ち、所属長が「目の色が変わった」と驚くほどに成長したという例ある。

 だが、最終的な目標に掲げているのは、「『越境プロモータープログラム』がなくなること」だという。

 「このようなプログラムを人事部が推進しなくても、自らの意志で越境できる人材の育成、またそれを受け入れる組織づくりをしていきたいと考えています」(福原氏)

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