[ワシントン 7日 ロイター] - 米議会上院の与野党指導部は7日、2018会計年度(18年9月まで)と19会計年度の予算方針を巡り、歳出上限を3000億ドル近く引き上げることで合意した。予算案に絡み与野党が瀬戸際の攻防を繰り広げるのを阻止する狙いがあるが、財政赤字の拡大は避けられない。

上院の共和、民主両党の指導部が合意を発表し、ライアン下院議長が支持を表明した。ただ、民主党のペロシ下院院内総務は、幼少期に親と不法入国した若者「ドリーマー」の救済策法案の採決をライアン議長が認めない限り、合意に反対すると述べた。

合意によると、11年の予算管理法で設定された国防費などの上限が引き上げられるほか、政府債務上限を2019年3月まで引き上げることも盛り込まれた。財務省はこれまで、上限が引き上げられなければ、財政資金が3月上旬に底をつくと警告してきた。

12月に成立した税制改革の大型減税と歳出増で財政赤字がさらに膨らむことになる。赤字は17会計年度に6660億ドルに達し、超党派の非営利組織「責任ある連邦予算委員会」は19会計年度に1兆ドルを突破すると試算している。

関連法案はトランプ大統領の署名に先立ち、上下両院を通過する必要がある。上院では与野党の支持を得ているもようだが、下院では財政規律派から反対の声が上がる可能性がある。

米軍増強を公約に掲げてきたトランプ大統領はツイッターで予算合意に支持を表明。「共和と民主は米軍を支援し、この法案を支持するべきだ」と投稿した。

共和党のマコネル上院院内総務は「法案は、議会指導部およびホワイトハウスによる大掛かりな交渉の末、誕生した」と語った。

民主党のシューマー上院院内総務は今回の合意について、「長い間議会を混乱させ、中間所得層を阻害してきた歳出危機の繰り返しを断ち切ることになる」と評価した。

合意には、災害支援、インフラ整備、鎮痛剤(オピオイド)乱用問題への対応向け資金提供のほか、3月23日までのつなぎ予算案も含まれる。

歳出増について、議会幹部筋は歳出削減や新たな税収で相殺されることはないと指摘した。連邦赤字の拡大を意味する。

「責任ある連邦予算委員会」のマヤ・マクギネス委員長は、「過去最高水準にある債務や1兆ドル突破が近い財政赤字にもかかわらず、議会は財政健全性への影響を気にすることをやめてしまった」と批判した。

債券市場では、予算方針を巡る与野党合意を受けて10年債利回り<US10YT=RR>が上昇。経済成長が加速し、国債発行が増加する可能性があるとの見方を反映した。

議会関係筋によると、合意で非国防支出を1310億ドル増やすほか、インフラ支出の200億ドルを盛った。児童医療保険プログラム(CHIP)への支出延長期間を、現行の6年間から10年間にする。

*内容を追加しました。