パフォーマンスがあがる「最新型呼吸トレーニング」

 それでは、実際に自律神経バランスを整える最新型の呼吸法を実践してみましょう。

 姿勢を正し、上半身はリラックスします。

 目は半眼にし、少し先の床あたりに焦点を定めます。

 鼻から5~6秒かけて息を吸い、口から「シュー」という呼吸音と共に5~6秒かけて息を吐きます。

 吐く時に、まるで波の音と共にネガティブな要因がかき消されていくようなイメージです。

 頰など口周りの筋肉で呼吸をしようとせず、しっかり腹式呼吸を行います。そして、呼吸による心身の変化を感じながら「今」に集中します。

 慣れてきたら、臍下丹田(へそ下約5センチ)を意識し、そのあたりが温かくなる感覚を観察しながら「今」に集中します。

 この時、仕事のことなど、雑念が頭に浮かんできても放っておいて、臍下丹田や心身の変化に意識を集中させます。

 朝食前や就寝前などの時間帯に、それぞれ5~10分間行います。

 これは、呼吸によるマインドフルネスです。大事なのは、思考を止め、心身への変化を感じることです。

 それは、単にボーッとしている状態とも異なります。むしろ意識は鮮明になっていきます。

 動作や呼吸に慣れてくると、どうしても流れ作業的に行ってしまいがちです。

 これは初心者よりも中級者が陥る自動化現象と呼ばれるもので、慣れにより、意識集中が低下してしまっている状態なのです。常に基本に立ち返って呼吸のトレーニングを深めていきましょう。

 こうした呼吸法の日常的な実践により、主に不安、睡眠障害、うつ病、ストレス性疾患、心的外傷後ストレス障害、高血圧、心疾患、喘息、線維筋痛症の改善や、スポーツパフォーマンスの向上への効果が期待されます。