病院や保育園、粉ミルク…中国が「民生」問題に本気を出す理由<br />

共産党中央が
春節前に開き出した「民生リスト」

 中国社会・世論が徐々に春節ムード(2018年は2月16日)に入っていく中、先日、国営新華社通信が《2018年、中央各部署・委員会はどのような民生リストを開き出すのか?》という記事を配信した。

 中国人民にとって“新年”とは春節休暇を経て本格的に始まる。本記事はそんな新年に向けて、党中央や中央政府が最近の各種会議を経て、人民たちの関心が高いとされる民生という分野でどのような目標を定め、政策を打ち出していくのかを紹介している。

 昨今の中国に関するニュースや情報といえば、習近平総書記率いる共産党中央の権力基盤・構造、対外的な拡張政策、中国経済の浮き沈み、“反日”的な現象・動向、食の安全や大気汚染の問題、インターネット規制強化、言論・報道統制の強化、およびこれらの分野で起きる“突発事件”などが多くの割合を占めているように感じる。

 加えて最近ますます日本国民・社会にとっても“身近”になってきている、中国人観光客をめぐる現象・動向といったところであろうか。

 往々にしてニュースの向こう側に存在する中国人民・社会であるが、それでもいわゆる社会で普通に生活する人々である。

 暮らしという意味で関心を持ち、喜怒哀楽を起こす分野や状況が、日本人とそう変わることはないだろう。「最近野菜が高くなった」、「この時間帯は電車内が満員でイライラする」、「今年は会社の業績が悪くてどれだけボーナスがもらえるか心配だ」といった類・次元の関心や懸念が人々の暮らしの大半を占めるという意味では、日本も中国も変わらない。