その意味で、今回出された「民生リスト」は中国の為政者たちが人々の関心事や懸念事をどう認識し、どう対応しようとしているのかの一端を理解するのに役立つと言える。

北京では青空が多くなったが
大気汚染の「格差」も発生

 リストは【環境保護】、【医療】、【教育】、【住宅保障】、【就業と起業】、【貧困援助】、【社会保険と戸籍獲得】、【養老】、【収入】、【食の安全】、【観光】、【インターネット通信】、【消費】から成る。

 ページも限られておりすべて紹介するのは難しいため、昨今の中国社会に対する理解を深める上で、私が興味深く感じた部分を抽出しながら見ていきたい。

 【環境保護】では「環境保護省が青空を死守するための作戦に打ち勝つ計画を全面的に起動させる。石炭の使用を減らし、自動車汚染をめぐるガバナンスを持続的に推進していく」、「住宅建設省が46の重点都市をゴミ分類示範区域に設定し、生活におけるゴミ分類をめぐる管理主体責任、カテゴライズ、ゴミ捨て・収集・運輸・処理システムを網羅することを実現する」と謳っている。

 最近の北京では青空が極端に多くなったと感じる。2010年頃とは比べものにならない。大気汚染に加担するような工場を閉鎖させ外地に押し出すといった、政府による政策が影響しているのだろう。

 ただ、環境保護省は中央政府の省庁である。所在地である北京だけでなく、全国の青空を死守しなければならない。私は1月に西部の西安と成都を訪れたが、スモッグがひどかった。一部の地域が改善され、他地域にしわ寄せが行くような状況が構造化すれば、“青空をめぐる格差”という新たな問題が出て、それはそれで社会不安を巻き起こす要因にもなり得る。