このような状況を前に、私などよりも日々そこで暮らす中国人民のほうが、よほど大きなストレスとフラストレーションを抱えていることであろう。その意味で、今回のような小さいかもしれないが具体的で実質的な政策はピンポイントに重要であり、人々の政府機関や病院に対する印象を改善させるものと思われる。

中国でも深刻な
幼稚園・保育園問題

 【教育】では「入園難という問題を緩和するために、公立幼稚園を大々的に発展させると同時に、民間幼稚園が広範な民衆にサービスを提供できるように引導し、援助していく。農村地域、貧困地域、都市部と農村部の接合地域、2人っ子政策によって新たに増えた人口が集中している地域に幼稚園を新たに建て拡張していくことを大々的に支持する」と謳っている。

 日本でも国民的関心を集めているテーマであると察するが、中国でも幼稚園・保育園問題は深刻である。“2人っ子”政策が実施されるようになった昨今であればなおさらであろう。政府当局が具体的にどう支持していくのかが注目される。

 【社会保険と戸籍獲得】では「人力資源・社会保障省は国民皆保険計画を全面的に実施し、都市部と農村部で統一された住民の基本医療保険と大病保険制度を充実させる。医療保険支払い方式改革を積極的に推し進め、省(筆者注:日本の都道府県に相当)をまたいだ、異なる地域で発生した診療・入院費用の直接決算作業を推進し、社会保険費用をめぐる国民の負担率を1年間段階的に下げる政策を引き続き延長していく。国家発展改革委員会は都市部と農村部の融合的発展を推進し、都市部における戸籍獲得条件と居住証制度の全面的実施を緩和していく」と謳っている。

 社会保険、医療保険に関しては、関連の公共サービスを受けられているかだけでなく、その内容や比率、および上記にある決算方法など、国民の欲求や関心はより具体的になってきている。

 一方で、中国において社会保障政策と戸籍問題・改革は表裏一体の関係であり(過去記事参照:中国で「農業戸籍」廃止、経済社会はどう変わる?)、同時にこれは政府の財政問題、不動産政策、そして経済の成長や社会の安定にも深く、継続的に影響する構造的問題であるだけに、慎重かつ大胆なパッケージ戦略が求められる分野であると言える。