[東京 9日 ロイター] - 政府は9日午前の閣議で、官民ファンドの産業革新機構(INCJ)の業務期限を現状の2025年3月から2034年3月まで9年間延長することなどを可能にする産業競争力強化法の改正案などを閣議決定した。INCJは新体制移行後に「産業革新投資機構」に名称を変更する。投資規律維持の目的で、半導体大手ルネサスエレクトロニクス<6723.T>など現行の投資案件については25年3月の終期を変更せずに分別管理するとしている。

INCJは、ルネサスや液晶パネル大手のジャパンディスプレイ<6740.T>に大規模な投資を実施したほか、経営危機に陥ったシャープ<6753.T>への出資を巡って台湾の鴻海精密工業<2317.TW>と競うなど、地盤沈下が続いた日本の電機産業を中心に、救済色を帯びた活動を続けたことに批判がある。

同日午前の閣議後会見で世耕弘成経済産業相は、今回の延長が大企業救済の措置ではないかとの質問に対し、「あくまでオープンイノベーションを目指すもので、単独の企業を救済するためではない」と強調した。

新体制移行後、INCJは政府が策定する「投資基準」において役割を明確化するほか、新体制移行後は15年間程度の終期を有するファンドを立ち上げ、新規投資を行う。「機構本体は監督を重点的に行い、下に設定したファンドが投資を迅速に判断する」(経産省の三浦章豪産業再生課長)という。

また、政府が株式の過半数を保有する官民ファンドの株式にINCJが投資できるよう規定を設ける。日本食やアニメなど日本文化の海外需要開拓を狙って13年11月に設立された「クールジャパン機構」などを念頭に官民ファンド統合の受け皿の役割を持たせる。

一方で、既存の投資案件については、新体制後の投資案件とは切り分けて管理を行う。「期限の設定が官民ファンドの規律維持の観点から重要。既存の投資案件は(新規案件とは)切り分けて管理して、従来の期限通りエグジットしていく」(三浦課長)としている。

(浜田健太郎)