誰でも技術規格書を
ダウンロードできる

 スマートハウス向けの通信プロトコルは、欧州や米国にもありますが、エコーネットライトの強みはほかの通信プロトコルに比べて、きめ細かいサービスを実現できることです。例えば、エアコンに対してエコーネットライトでは設定温度を1℃単位で制御できます。

 技術規格書をオープンにしていることもエコーネットライトの大きな特徴です。誰でもエコーネットコンソーシアムのウェブサイトからダウンロードして、製品やサービスを自由に開発することが可能です(認証取得は会員であることが必要)。2012年当時の経済産業省検討会に参加する約500社が合意して規格をオープンにした判断も画期的で、日本が世界に誇れることだと思います。

 異なるメーカーの機器に対する相互接続性を担保するために、第三者認証制度も設けています。この制度のために、認証認定機関と認定機関を8拠点ずつ設置しています。認証を受けた製品は、エコーネットコンソーシアムのウェブサイトで公表しています。

 エコーネットライトが制御の対象としている機器は、スマートメーターや家電、住宅設備などのエネルギーに関連するものにとどまりません。体重計や血圧計などの健康管理関連機器、テレビをはじめとするAV関連機器など約100種類を対象に、制御コマンドを策定しています。

 IoTの進展によってさまざまなモノがインターネットにつながる今後は、エネルギー管理とは異なる用途にエコーネットライトがどんどん広がっていくと思います。

 例えば、高齢者の親が遠隔地に住んでいる場合に、家電製品の利用状況を子どものスマホで可視化できれば見守りサービスになります。いつも同じ時間に使っている家電の電源が入らなければ、通常とは異なる状況だと判断できるからです。

 このほかにも、夜中にトイレに行く時に照明を自動的に点灯する。子どもが帰宅して玄関のドアが開いたことを知った母親が職場からスマホで「お帰り」と声をかけるなど、暮らしを快適にする使い方がいろいろと出てきています。