[ニューヨーク 9日 ロイター] - 米株式市場が落ち着くか、あるいは再びボラティリティーが高まるかはは米国の2つの重要な物価指標に左右されそうだ。

1月の消費者物価指数(CPI)は14日に、卸売物価指数(PPI)は15日に公表される。市場の予想を上回る伸びとなれば、株式が一段と売られ相場が大きく動く可能性がある。

12月のCPIは前年同月比2.1%上昇した。1月も同程度の伸びが見込まれている。

アルビオン・フィナンシャル・グループの最高投資責任者(CIO)で主席エコノミストのジェーソン・ウェア氏は「CPIが堅調なら不透明感がさらに強まる。一方予想を下回れば金利が低下し株価が上昇する可能性がある」との見方を示した。

今月に入って株式市場はインフレ動向に極めて敏感になっている。株価が急落したのは1月の米雇用統計で賃金が2009年6月以来の高い伸びとなったことが大きな要因だった。

賃金の急上昇を受けて米10年物国債利回り<US10YT=RR>は3%に接近。市場が織り込んでいるより速いペースで米連邦準備理事会(FRB)が利上げを行うとの不安が高まった。

米S&P総合500種指数採用企業の益回りは現在5.4%で過去20年の平均の6.4%を下回っている。債券利回りが上昇すれば株式益回りとの差が縮小し、株と債券の資産配分を見直す動きが加速するとみられる。

ラザード・アセット・マネジメントで米株式部門などを統括するロン・テンプル氏は「(金利上昇の)ペースが非常に重要だ」と指摘。「週内に(米10年債利回りが)3.0%に乗せれば市場は一段と動揺する。現在株式市場の投資家心理は非常に不安定だ」と述べた。

クエスト・パートナーズの二ゴール・クーラジャン最高経営責任者(CEO)も「投資は債券市場を注視する必要がある」とし「小さなきっかけで大きな雪崩が起こりかねない」と警告した。

一方で歴史的に見て債券利回りは警戒水準には達しておらず、むしろ世界経済の健全な状態を示しているとの指摘もある。過去30年間の10年債の平均利回りは4.834%で現在の水準よりもまだかなり高い。

エドワード・ジョーンズの投資ストラテジスト、ケイト・ウォーン氏は「ファンダメンタルズはなお明るい。経済成長も企業業績も力強く伸びている。長期的には株価押し上げに寄与するだろう。ただ短期的な動きを予想する上であまり役には立たない」と語った。